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フジテレビ月9ドラマ「失恋ショコラティエ」第4話 感想

月9ドラマ「失恋ショコラティエ」の第4話、リアルタイムで視聴していたのですが、感想が思ったより長文になってしまい、遅くなってしまいました。今回は、それぞれの想いのすれ違いが痛い回でしたね。それでは、ネタバレ感想を書いていきます。

ドラマの冒頭、爽太(松本潤)に片思いしている薫子(水川あさみ)の元に、リクドーの店員の関谷(加藤シゲアキ)が突然訪ねてきて、唐突に食事に誘われるという急展開から始まりました。

躊躇する薫子に、知らないとはいえ爽太の無神経な言葉がビシバシと叩き付けられる様は、薫子の心情を思いやると心が痛みました。実は、私が原作を読んだ際に最初に感じたのは、薫子がヒロインなのが一番しっくりくるな、と言うことでした。

素直になれなくて、ついつい反発してしまうけど、そばにいて献身的に爽太を支えていて、一番幸せになって欲しいと思わせるキャラですよね。

薫子のことを思い、関谷の事を聞こうと送った爽太のメールの内容を六道(佐藤隆太)が勘違いして、「爽太くんもそっちだったのー」と叫ぶシーンは面白かったです。

爽太が、紗絵子(石原さとみ)の誘いを「デートじゃない、紗絵子さんの買い物に付き合うだけだ、簡単にその気になるほど今の俺はピュアじゃないから」とニヒルな感じで言っていたのに、次の瞬間、「ああ、どうしよう」と、着ていく服に悩んだり、どんな店で食事をするか迷ってドタバタする様に、爽太はなんだかんだいっても悪い男になりきれない素直な性格だなと思いました、ちょっとアホっぽいけど。

また、紗絵子が言った、「爽太くん、付き合って」という言葉の響きを反芻するようにニヤつく爽太の鼻の下伸びた顔に爆笑しました。

一方、オリヴィエ(溝端淳平)もまつり(有村架純)に、好きだと告白するものの振られてしまいます。この二人の描写は、今のところあっさりし過ぎていて、今一つ心に響かないんですよね。

さて、爽太が六道の店でチョコレートを食べ、その味に自分にはないものを感じ、また、六道の言葉(自分自身のビジョンが消えてしまう事の方が怖い)に感銘を受けた爽太が、「俺のビジョン?、それはもちろん、紗絵子さんが幸せになるチョコレートを作ることだ」と自問自答し、そのビジョン(究極の「パン・オ・ショコラ」を作ること)を実現しようと決意するところは格好いいですね。

そして、爽太の妄想の中で、「パン・オ・ショコラくださいな」と満面の笑みで両手を差し出す紗絵子にやられました。

さて、爽太との「デート」の朝、「今日遅くなるから」という旦那に、「そうなんだ」と嬉しそうに返す紗絵子が露骨過ぎて、旦那からするとめっちゃ怪しかったですね。案の定、紗絵子の言動を怪しんだ旦那は、いつもより早く帰ってくることになります。(^_^;

旦那を送り出した後、気合い入れてメイクや服選びする紗絵子は、好きな人とのデートにうきうきするのはわかるけど不倫なんだよなと冷ややかに見つつも、爽太に可愛いと思われたい一心でやっているのかと思うといじらしくもあり、複雑な心境になりました。

また、玄関でヒールの高いブーツを履いて、いざ出陣という感じで歩き出す時の紗絵子の表情が、ちょっと悪い女な感じで、紗絵子の二面性を垣間見た気がしました。

「デート」では、この高いヒールという、薫子も予想外の紗絵子の上級テクニックの効果で爽太がもんもんとする羽目になり、さらに紗絵子は、爽太の腕に自分の腕を絡ませ胸を押しつけるという究極ワザを繰り出してきて、爽太は、興奮状態に。「胸、胸あたってますよ、奥さーん」って爽太の心の叫びが面白かったです。

この恋愛テクニックは、さとみちゃん主演のドラマ「彼は、妹の恋人」でも、奔放な妹、遥花が駆使してましたね。こうしてみると、腕に胸ギュは、恋愛テクとしては王道と言って良いものなんでしょうか。

確かに男としてはそこに神経が行かざるを得ないですよね、爽太を演じる松本くんとしては、爽太の妄想とは逆に、左腕に神経を集中しないよう必死に無心になろうとしながら演じていたのではないかなと思います。(^_^;

対するさとみちゃんはあっけらかんとして、ある意味計算の無い分、紗絵子以上にやっかいな小悪魔として、大胆に演じていたと思うのですがどうでしょうか?こういうシチュエーションって絶対男の方が過剰に意識してしまいますよね。二人のこのシーンの前後のやりとりがどういうものだったのか、メイキングで是非見てみたいです。

さて、紗絵子のお色気攻撃に理性の飛んだ爽太の妄想のキスシーンが凄く官能的で、おおっと一瞬、目を見開きました。その後の紗絵子の上目遣いで、「お店の人に見られちゃうよ」のセリフもグッときますね。

しかし、爽太の「誘ったのは紗絵子さんだよ」という言葉を切っ掛けに、「誘った?」となぜか切れ始める紗絵子の豹変は予想外でした。ここの、爽太の顔をペチペチはたく紗絵子の乱暴ぶりに爆笑しました。

爽太も紗絵子の真意がずっと分からない状態が続いて、その妄想も、ひたすらお気楽な願望丸出しの妄想から、冷や水をかぶせられ現実に引き戻されるような、ネガティブな妄想に変わりつつあるような気がしました。実際この後、自分で勝手に落ち込んで、紗絵子に冷たい態度を取ってしまいます。

そんな爽太の様子に紗絵子が気付き、戸惑う表情を浮かべるの見て、爽太気付けよと思ってしまうのは、やはり、私が紗絵子押しだからでしょうかね。

しかし、帰り際、紗絵子が爽太を家に誘う所は、旦那の帰りが遅いことを知っていて誘っていることから、もし一線を越えた関係になることを期待して誘っているとしたら、言い訳できない最低な行動だなと思いました。旦那に相手にされないのが寂しいから話し相手として、じゃないですよね。

戸惑う爽太を見て露骨すぎたかなとちょっと目線を逸らして、「旦那さん、今はまだ帰ってないけどそろそろ帰ってくると思う」と言い訳するところは、目的と遂げるためには手段を選ばない狡猾さも感じます。

さとみちゃんは、「笑っていいとも!」で紗絵子について、「計算なんじゃないか、下心があるんじゃないかとか小悪魔だって言われてるけど、実は、もっと幸せになるためにただ努力をしている純粋な女の子だと思って演じている」と言ってましたが、現時点での紗絵子の言動からはそういった純粋な部分は感じられることはなく、ただ身勝手で自己中心的な人物としか思えません。

紗絵子が爽太への想いと旦那への罪悪感に板挟みになって悩んでいるような描写があればまた、違った印象になるのかも知れませんが。紗絵子の細かな心情の描写が無いので、表面的に見るしかないんですよね。

対象的に、「私も爽太くんのチョコを楽しみにしているお客さんの一人だから」という紗絵子の言葉に、ちょっとショックを受けたような表情をする爽太が、どこまで純粋でピュアな心の持ち主(セフレいるけど)なんだろうと思いました。

ああ、でも、「また、デートっしてね」、「デートじゃ無いでしょ」のやり取りをした後、悲しい顔をして帰路につく紗絵子と、それを見送る爽太のシーンは、お互いの想いのすれ違いが切なく胸に響いてしまうんですよね。本当に、純粋な恋愛ドラマとして見られたらどれだけ良いことかと思いました。

と思った後の、爽太の「抱かせてえれな」には、ガクっときましたが。(^_^;

紗絵子は爽太に、爽太はえれなにそれぞれ逃げているんですよね。

さて、もう一つ、「笑っていいとも!」でさとみちゃんが言っていた、新作のボンボンショコラを食べて、「美味しい、私これ凄い好き」のシーンは、確かに、紗絵子の表情が驚きと喜びに満ちていて、その美味しさがこちらにも伝わってきました。

紗絵子の好みが変わったことを爽太が知っていたことに対して、「ちゃんと分かってくれてるんだね」と嬉しそうに紗絵子が言い、それを聞いた爽太が一瞬、虚を突かれたような表情をした後、微笑みながら「そりゃあ、常連客の好みはちゃんとチェックしてるよ、これでもプロだから」と返すシーンは、爽太の「キモイと思われるかも」という、モノローグがなかったからか、これまでの駆け引きのやり取りとは違った、よそよそしさも様なものを感じました。

その後の、デート云々の話で、紗絵子の「旦那さんとじゃ無いよ」という言葉と表情に、思いっきり駆け引き(というか当てつけ?)があったのとは対象的でした。この時の紗絵子のフフンというような表情がまた、悪い女感に溢れていて強く印象に残りました。

しかし、このところの紗絵子の駆け引きは裏目に出るばかりで、爽太をさらに疑心暗鬼にして落ち込ませてしまう結果になってしまうんですよね。

さて、薫子も関谷と「デート」することになるのですが、食事に誘うときに関谷の言った、「誰にしようか考えてたら、井上さんが、パッと、頭に浮かんだ」って、もう恋が始まってるような気がしますよね。

居酒屋では、薫子の想いをずばりと言い当てる辺り、かなり薫子のことを気にしていて、薫子の想いは今は爽太に向いていますが、やっぱり、関谷と結ばれるのが幸せなのかなと思いました。

父親(竹中直人)の、「年は関係ないだろ」という言葉に、爽太自身が無意識に新しいことに挑戦することから逃げていたことに気付き、「パン・オ・ショコラ」を作るのをやめて、「パンデビス」を作る事を思いつくシーンは、爽太の精神的成長が感じられて良かったです。オリヴィエの唐突な、「パンデビ~ス」には、笑いましたが、

このシーンでオリヴィエが、「爽太と紗絵子を見ていると、まるで、チェスの対戦を見ているようだよ」というのを聞いて、私はてっきり、ネットの感想でこの言葉を目にしていたと思っていたのですが、原作の漫画の中のセリフとしてあったんだと気付きました。

ラストは、「俺、あの人がいればいくらでも、なんでもできるような気がする」と明るく言う爽太と、それを離れた場所から見つめる薫子の悲しげな表情が、なんともやるせないシーンでしたね。

爽太の、「紗絵子さんが俺にもたらす感情は、全てインスピレーションの源になる、不思議だね、だからもっと、俺を傷つけてくれていいよ、もっと、もっと、へこませてくれていい、その痛みが、苦しみが、また俺を成長させてくれるから、あなたが俺をショコラティエにしてくれたんだ、そして今も、ショコラティエで居続けさせている、俺は、紗絵子さんが好きだ」というセリフには、とんだドM野郎だなと思いつつも、素直な想いは熱い共感を覚えさせてくれました。

次週の予告で、紗絵子の額から流血している所と、痛々しい包帯姿の映像が流れてました。そして、急いで駆けつようと走る爽太の姿もあり、詳細は伏せますが、第5話は一気に物語が動き始めると思いますので見逃せませんね。

「失恋ショコラティエ」第5話 感想

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