映画

映画「人間失格」

CSのチャンネルNECOで放映していた、映画「人間失格」を見ました。

太宰治の代表作ですが、私は原作を読んだことがありません。内容については、検索すればいくらでも出てくるので、このブログでは例によってさとみちゃん中心の感想を書きたいと思います。

さとみちゃんは、主人公の大庭葉蔵(生田斗真)が、唯一結婚し、幸せな家庭を築いた無垢な女性、たばこ屋の娘の良子を演じています。

ですが、幸せな家庭もつかの間、良子は前々から、出入りの商人の男に言い寄られており、葉蔵は良子がその男に犯されている場面を目撃してしまいます。

ネットで、当時のニュースを検索すると、「石原さとみ濡れ場に初挑戦」とか書かれていたシーンですが、実際は、主人公がその場面を目撃してショックを受ける表情と、横になった良子の隣でズボンを履く男が映るだけで、後は観客に想像させるという手法がとられています。

さとみちゃんは完全に話題作りに利用されている感じなのですが、事の後の気だるげな感じを、後ろ姿と少しほつれた髪をかき上げる仕草でうまく演じていたと思います。

また、結婚前に良子がタバコ屋で店番をしている時、前の道を通る葉蔵をちょっと妖しげな表情で見つめるシーンがあるのですが、役柄の18歳の少女というよりは妖艶な「女」という感じで、これまで見たさとみちゃんの作品の中では無かった表情だと思うので、強く印象に残りました。できれば、ラッキーセブンSPの「魔性の女」も、こういう表情をする役だとよかったのですが。

ただ、無垢な少女という設定からは意味不明なシーンで、その後の葉蔵に酒の飲み過ぎを注意する時の少女らしい可愛らしい表情の方が良子のイメージだと思いました。

さとみちゃんの出演時間は正味10分ぐらいで、まあ、さとみちゃん目当てで見るのは、正直つらい映画でした。同じ、読み継がれている文学作品でも夏目漱石の「こころ」は共感できるのに、人間失格という作品については、私は今一ピンとこなかったというか、正直理解できなかったのは、自分にも醜い心はあるが、「生まれてきてすみません」とは思いたくないからだろうか。

余談ですが、葉蔵の中学時代の同級生で、葉蔵が道化を演じているのを唯一人見破った竹市を、映画「Jam Films S」の「すべり台」という作品で、さとみちゃん演じる女の子に「やらせて」とのたまった、柄本時生君が演じていて、成長したなと思いました。

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