映画

オムニバス映画 Jam Films S「すべり台」

人間失格の記事で、Jam Films S「すべり台」に触れたことから、久しぶりに見返しましたので、大まかなストーリーと感想を書きます。

この映画は、さとみちゃんが17歳の時の作品なのですが、さとみちゃんは小学六年生の夏美を演じています。相手の且人役が、この映画の為にオーディションで選ばれたという柄本時生君です。

さとみちゃんは、お下げ髪にノースリーブのブラウスにショートパンツという姿で、言われてみれば小学生に見えなくもないかと思いましたが、初めて見たときは、中学生ぐらいの役と思って見てました。

さとみちゃんのおでこに目立つニキビがあり、思春期の少女らしい雰囲気に人役買っていたと思います。

ストーリーですが、引っ越しを明日に控えた夏美が、7年前、公園のすべり台で遊んでいた時に、且人に大けがを負わせてしまった事を謝るために、その公園に且人を呼びだすところから始まります。

夏美が「何でもするので言って」と伝えると、且人がしばらく考えて言った言葉は、「やらせてよ」でした。ぽかーん(゜Д゜) という感じの夏美が「何を」と聞き返すと、「SEX」と答える且人。

そこから、二人で、服を脱ぐの脱がないだの、会話に窮した夏美が、且人の口の周りに髭が生えていることをからかったりだの、SEXというセンセーショナルな言葉とは裏腹に、微笑ましいやりとりが続きます。

しばらくして、会話が途切れると、且人がキスを迫ってきたので、「その前に条件がある」と、夏美は7年前の再現をしたいと言い出します。

すべり台の上で待つ夏美の元に、梯子を昇って行く且人。登り切る直前、且人の目の前で、紙鉄砲(新聞紙を三角に折った物)をならす夏美。且人は驚いて落ちる振りをします。(7年前は掴めなかった)その手をしっかりと掴み、すべり台の上に引き上げる夏美。

7年間の心のつかえが取れた夏美は、もう一度、且人にあらためて7年前のことを謝りますが、且人は覚えてないとそっけない。

その言葉に、引っ越したら私のことも忘れちゃうんだと泣き出す夏美、あわてて、忘れないように努力する言う且人に、笑って、私もあんたの事なんて忘れちゃうからと言います。

実は、且人も夏美が引っ越しすることを知って何か言いたいことがあった様子ですが、なかなか言い出せません。もじもじする且人に、「思いで作ろうか」と言い且人の前に立つ夏美。「女はね、大胆になれるんだよ、いざという時は」と言いながら徐々に顔を近づけていきます。

その時、夏美の携帯が鳴って….。

20分程の短い作品ですが、お互いに素直になれない、思春期の少年と少女の微妙な心の揺れ動きが、二人の絶妙な演技で表現されていて、ノスタルジーをかき立てられる良い作品だなと思いました。

特にさとみちゃんは、少女の無防備な色気を感じさせ、将来の魔性性を垣間見られて良かったです。

ちなみに、一部始終を通りがかった山崎まさよしさんが見ているのですが、最後に、観客の声を代弁してこう言います。「寿司か」

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