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リッチマン、プアウーマン in ニューヨーク 感想5

リッチマン、プアウーマン in ニューヨークのストーリーと感想パート5です。

家に帰り、冷蔵庫から飲み物を取り出し、ソファーに座る徹。ソファーの背もたれと座面の間に真琴の残していった黄色いメモが挟まっているのを見つけ、手に取ると、少し眺めた後、手の中でくしゃくしゃに丸めてしまいます。

数週間後、ネクストイノベーションの会議室に社員達を集めた徹は、彼らに対し、ネクストイノベーションは、物を作りたい人間の集団だ、一度も見たことが無い、面白い物を作って、世界を変えたい、それが僕らの目的だ。そのための意見なら聞く、しかし、困難な事はやりたくない、ハードワークは嫌だという考えなら悪いがネクストイノベーションからは去ってくれ、と告げて会議室を出て行ってしまう。

残された社員達に、安岡も深刻そうな顔で、「WonderWallからも、去ってくれ」と、言って移籍希望者リストを示します。

しかし、次の瞬間、「なんてね、もう一度考え直そう、ここは、面白い職場だよ」と笑顔で話す安岡に、堅い表情をしていた社員達も一様に顔をほころばせる。

すると、「ああ、そうだ、もう一つ」と出て行ったはずの日向が、別のドアから現れ、「君たちが作ったパーソナルファイルは、パソコン、携帯、スマホ、タブレット、今、存在する全てのデバイスに搭載されると」と告げる。

ざわつく社員達に向かって、さらに、「そして、今後開発される携帯端末は、全て、パーソナルファイルを持って生まれてくる」と、いたずらっぽく笑いながら言う徹。

全メーカーが僕らが作った物を使うのかと問う社員に、「そうだ」と答える徹。そして、どんどん新しい機能を生み出して付けて行かないと、あっという間に先を越される、「また、寝れないな」と茶目っ気たっぷりに笑顔で言うと、社員達は、困りながらも楽しそうにパーソナルファイルについて話し出します。

場所は変わって、朝比奈の勤めている、セキュリティ会社のオフィス。

朝比奈が、新聞を読もうと広げると、「JIテック、大手家電4社と提携」の文字が目に飛び込んで来ます。

その記事を読んだ朝比奈は、徹の言った「お前が戻ってきたいと思うような、闘い方をしてやるよ」という言葉と、真琴の言った、「朝比奈さんは、変わらないんですか?」という言葉を思い出す。

その様子を見ていた同僚が、今日も仕事がうまくいって、あなたがパートナーで良かったと言うと、朝比奈は笑って、「パートナーというのは、常に同じレベルで仕事しなきゃ駄目なんだよ」と言います。

俺が駄目だって言うんですかと言う同僚に、「いや、俺がだよ、俺が」と自嘲するように言う朝比奈。

そして、指を鳴らし、同僚を指さして、「未来はよくなるよ」と、以前の同僚の「未来は良くなりますかね」という問いへの答えを口にします。

なんか、急にかっこよくなる朝比奈さん。吹っ切れたようです。

夜、妹の燿子のレストランに現れる朝比奈、燿子に、自分の荷物はどこにあるかと聞きます。その言葉に、燿子は、涙を浮かべながら、「あるよ、昔のお兄ちゃんの部屋の押し入れに全部押し込んでおいた。」と、うれしそうに言います。

-ネクストイノベーションのオフィス、深夜。

徹は、今日も一人で遅くまでパーソナルファイルの開発に没頭していました。「写真を検索する機能が、あと、2つはいるなあ」、そう独り言をつぶやいた徹が、脇のノートパソコンをタッチして、写真フォルダを表示すると、そこには、たくさんのニューヨークの街の景色の画像に混ざって、1枚だけ、売店から自分の方に歩いてくる真琴の姿が映った写真が入っています。

自分に向かって微笑む真琴、うれしそうに笑いながら歩く真琴、「仕事している日向さんが一番かっこいいです」と言う真琴、ニューヨークでの真琴との思い出が、次々とフラッシュバックして、封じ込めたつもりの会いたい想いがあふれだし、苦悩する徹。

スマホを手に、ネクストイノベーションのオフィスをゆっくりと歩き、社員達が様々な想いを書き出したWallの前まで行くと、電話帳で「夏井真琴」の名前を探し、タップしようとしますが、躊躇して指を止めます。

その頃、ボストンにいる真琴は、ラングレンラボの研究所で、朝を迎えていました。

ポケットからスマホを取り出し、電池切れで真っ暗なままの画面を見つめて、「充電したのいつだっけ」とつぶやく様に言う真琴。

研究所の休憩スペースの様なところで、スマホに電源ケーブルを差し込み、充電を始めると、画面に不在通知ありの文字がポップアップします。

着信履歴を確認し、日本からの電話であることを知った真琴の脳裏に、「僕の電話には、必ず出るんじゃないのか」と言いながら走ってくる、空港での徹の姿が思い浮かぶ。

その時、スマホの着信音が鳴り、迷った末に出ると、燿子からの電話でした。

何度も電話をしたが、ずっと電源を切りっぱなしで、ちゃんと生活はできているのかと、ちょっと怒ったような口調で心配する燿子に対し、真琴は、ずっと毎日実験室にこもりきりで、メールも電話も意外と必要ない、世の中、情報社会とかいって、あれ嘘ですねと、無理に明るい声色で答えます。

わざと連絡つかないようにしてるんじゃないかと言う燿子に、そんなこと無いと言い、逆に燿子さんこそどうしたんですかと問い返す真琴。

そんな真琴に、燿子は、なんで別れちゃったか聞いてやろうと思ったと言うが、真琴は、私たちは最初から付き合ってたとか、そういうんじゃ無かった、結局、仕事仲間でしかなかったと、笑みを浮かべながらも悲しそうな目をして言います。

-日本

ネクストイノベーションのオフィスで、ソファーに寝転び、「へこんだりとか、何でもいいから笑いたいとかそういうときいつでも呼んでください。私、全力で鉄板の顔芸やりますから」と言った、真琴の顔を思い出す徹。

退社し、ネクストイノベーションのオフィスのあるビルから出ると、後ろを振り返り、「あなたのプライドなんて、うなもん、どうでもいいです!、私は日向徹について行きたい」と言ってくれた、あの日の思い出がよみがえってきて、笑みを浮かべます。

-ボストン

「壊したなら、責任取れ、巻き込むぞ、いいな」と言った徹の言葉を思いだしながら、燿子に、私はただ巻き込まれちゃっただけですと言う真琴。

-日本

家への帰り道を、物思いに耽りながら歩く徹、その脳裏に、「120点、完璧です!」と言ってくれた真琴、「日向さんのこと好きすぎてつらいんです、だから会いたくないんです」と言った真琴が次々と浮かんでは消えます。

-ボストン

「だから、好きとかそう言うんじゃ無かったんです」と、燿子に言う真琴の脳裏に、「僕は、お前の事が好きだ、だから、僕のそばにいろ」と言ってくれた、空港での徹の姿が思い浮かびますが、その思い出を断ち切るかのように、「仕事だから、そばにいれたんです」と言う。

-日本

家に着いた徹。暗く静寂の支配する自分の部屋にゆっくりと入っていくと、真琴がパーティションを置いて寝ていた場所で壁にもたれかかり、がらんとした部屋を見渡し、「これが、僕の部屋だ」と、寂しそうにつぶやきます。

連ドラ時は、こういうとき、母親に置いて行かれたシーンがフラッシュバックしていましたが、今の徹は、とにかく、真琴、真琴、真琴で、┐( ̄ヘ ̄)┌ ヤレヤレ 素直になれよって感じでしたね。

-数週間後、ニューヨーク

徹は、再度ハードディスクメーカーの工場を訪れ、「oshi-ire」機能に必要なハードディスクの購入の交渉をしていました。何度来ても無理なものは無理だと言う責任者に、徹は話を聞いてくれと食い下がりますが、上司らしき男が口を挟み、「倍の値段を出せば、売ってやってもいい」とバカにしたように笑いながら言います。

その言葉に徹は、苦虫をかみつぶしたような顔で反論しようとしますが、その時、背後から、「買う必要ない」と英語で言う声が聞こえ、聞き覚えのあるその声に、にんまりと笑いながら、振り返ります。

以前の様な、高級スーツに身を包み、静かに微笑みながら現れた朝比奈が、「この話は、なしだ」と、徹が最初にJIテックとの提携話を断ったそのままの言葉で告げると、そのまま、日本のある会社が、今度、1平方インチ当たり2テラビットの処理速度を可能にした、「熱アシスト記録方式」のハードディスクを発表する。さらに、その会社は、JIテックだと言い、徹を驚かせる。

この、1平方インチ当たり2テラビットの「処理速度」という字幕は、「記録密度」の間違いですね、熱アシスト記録については、名前は聞いたことがあったのですが、どういう技術か知らなかったので、調べたところ、記録密度を上げる(磁石を小さくする)と熱の影響が大きくなる(ちょっとした熱で磁力を失う)ので、高保磁力(磁力を失いにくい)の材料を使うのですが、そうすると、磁気ヘッドの小さな磁力では、磁気の書き換え(データの読み書き)ができなくなってしまいます。

そこで、その問題を解決するため、高保磁力の材料をレーザー(による近接場光)で瞬間的に暖め、保磁力を下げて、書き込むという技術が「熱アシスト記録」だそうです。

将来的には、30TBとかのハードディスクも可能というこの技術。調べていて、この分野では、日本のメーカーが強く、リーダーシップを発揮しているのだと知って、リッチマン、プアウーマンの物語のJIテックの話とつなげて、日本のメーカーも、まだまだ捨てたもんじゃ無いと、非常にうれしくなりました。

さて、ストーリーに戻ります。朝比奈の発言の内容に疑心暗鬼のハードディスクメーカーの責任者たちを置き去りに、徹は朝比奈に「そんな技術か何で埋もれているんだ」と聞きます。

朝比奈は、徹に、「そこのエンジニア達は、新しもの好きで、商品にならない特許ばかり取って赤字の温床で、リストラの対象になった、でも彼らは必ず面白い物を作る、ハードワークさえいとわない変人の集団だ」と言う。

「じゃあ、そのチームを買えばいい」と言う徹に、「日向徹のサインが必要なんだ」と言って、JIテックとの業務開発委託契約書を差し出す朝比奈。なんで、朝比奈が持ってきているんだろう(^_^;

徹は笑って、サインしながら、「と言うことは将来、工場が必要になるな、じゃあここを買い取るか」と言うと、ハードディスクメーカーの責任者達に向かって、英語で、「メード・イン・ジャパンはこれから巻き返す、また会おう」と告げて、工場を後にします。

イースト川の畔の欄干で、朝比奈は、徹に、タブレットで熱アシスト記録のハードディスクの設計図を見せながら、山上さんがいっしょに動いてくれたことを告げます。うーん、そんな機密事項を社外に、しかも、社員じゃないのに持ち出していいのか(^_^;

JIテックのリストラ部門を買い取ると言う朝比奈に、徹は、「在庫を抱えないソフトウェアでやっていくのが、うちの勝ちパターンだ」と疑問を呈しますが、朝比奈が、「やりたいことは、日々かわる、変わっていくことを楽しもう」と言うと、徹も笑顔で頷き、「そうだ、見たことのない景色を見ようと」答えるのでした。

リッチマン、プアウーマン in ニューヨーク 感想6に続く

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