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映画「わたしのグランパ」の感想

先週日曜日にBS日テレで放送していた、映画「わたしのグランパ」を視聴しました。

本作はさとみちゃんのデビュー作で、私は本ブログを始める前にDVDで見ているのですが、今回テレビで放送されたのを機会に例によってさとみちゃん中心の感想を書きたいと思います。ネタバレもありますのでまだ見ていない方は注意してください。

最初に大まかなストーリーについて、書いておきます。

さとみちゃん演じる五代珠子は、正義感が強く、物事をハッキリ言うタイプの中学1年生の女の子。その正義感から、いじめられていた友達を助けたことが切っ掛けで、自分もいじめの対象になってしまいます。ある日、生まれてから13年間一度も会ったことの無かった祖父の謙三(菅原分太)が帰ってくることになり、珠子は、人を殺して刑務所に入っていたという祖父に最初はぎこちなく接していますが、謙三によって、珠子のいじめや、不良少年たちによる校内暴力、両親の不和などが、次々に解決していき、殺人犯にもかかわらず、街の人たちから好かれている謙三を、時には不思議に思いながらも、次第に尊敬しグランパとして慕うようになります。しかし、謙三とヤクザの過去のいざこざが原因で、珠子が誘拐されてしまい…。

以下、シーン毎に感想を書いていきます。

いじめっ子たちがわざと花瓶を落として割ったことに対し、ぷっつん切れて啖呵を切るシーンでは、「うるせーんだよ」と、低いドスのきいた声から、「ぶっ殺されてぇのか、ああ」と言うところの表情がかなりの迫力でスケバン役もいけるかもと思わせました。さとみちゃん主演でスケバン刑事も見てみたかったですね。

いじめっ子のともみがいじめをやめた事に対して、珠子が謙三に、「なんかぁ、心当たり、ないですか?」と小首をかしげながら問いかける時のさとみちゃんの表情が、ちょっと小悪魔っぽい感じで可愛いかったです。さとみちゃんの生来の魔性性が感じられたシーンでした。

神社の境内で、謙三が不良グループに絡まれ、背後から金属バットで殴られた後、慌てて駆け寄るシーンで、珠子が、「大丈夫、怪我してない」と言い、謙三が「大丈夫だよ」と言って走って逃げるのですが、後頭部(肩?)強打されて大丈夫なはずが(^_^;

まあ、ヤクザの事務所に一人で乗り込んで拳銃で左胸を撃たれても、平気でヤクザを相手に大立ち回りをやるターミネーターの様なおじいさんなので、この程度はなんともないのでしょうか。(^_^;

ホテルでの年越しパーティーに出席する珠子が、ピンクのドレスで登場するシーンは、ドレスのセクシーさと表情のあどけなさのギャップが、ちょっと背伸びをして、大人の真似をした少女という感じで可愛かったです。

このパーティーのシーンで珠子が初めて言葉をかわす設定の、殺された謙三の親友の息子、慎一役の浅野忠信さんとはこの時初共演で、のちに映画「月光ノ仮面」で許嫁役として共演することになるんですね。

それにしても、元不良グループのリーダーの宏といつの間にか仲良くなり、喫茶店でデートまでするようになっていたのは驚きました。

この時、喫茶店の窓の外を仲良く並んで歩く両親を見て珠子の言う、「私、早く大人になりたい、でも、私、大人になりたくない」というセリフは、大人の恋愛への憧れはあるが、今の恋愛未満の関係も心地よいという少女の揺れ動く感情を表現したものなのかなと思いました。

屋根裏に謙三と一緒に上るシーンで、謙三が珠子に、「四角いところは天井板だから、踏んだら落ちるよ」と注意しますが、自分が小学生のころ友達の家で屋根裏に上って遊んでいて天井板を踏んでしまい、天板ごと真下に落ちたことを思い出しました。(^_^;

自分には記憶がないのですが、友達曰く、天井から落ちた後、いったん両足でどんと床に立ち、そのままゆーっくり倒れて、目の前の階段を転げ落ちていったそうです。(^_^;

友達の母親がものすごい物音に驚いて血相を変えて様子を見に来たのを覚えています。幸い怪我はなく、無事にすみましたが、屋根裏に上る際は皆さんも気をつけてください。(^_^;

話が横道にそれました。

ラストに、ヤクザに珠子が誘拐されて、謙三が助けに来るのですが、BSで放送されたものでは、珠子が襲われそうになった際に起こる、「マジックリアリズム」の部分は、残念ながらカットされていました。この演出には、その少し前のシーンで、謙三達の車が来たのを珠子が「感知」したかのような描写があり、初めて見たときはすっかりその手の能力に目覚めたのかと思いました。(^_^;

さて、今回、改めて視聴してみてこの映画は珠子を初め、いじめっ子の同級生の女の子達や不良少年達の精神的成長がテーマの物語だったんだと気付きました。その導き役として生き様を魅せるのがグランパなのだと。

さとみちゃんの演技は、セリフについて若干ぎこちなく感じる所もありましたが、思春期の感情が揺れ動く少女を表現力豊かに素直に演じられていたと思います。

特に最後に撮ったという川の中に佇むシーンでは、髪を切ってちょっと大人びた表情が、メイキングで監督も言っていましたが、すっかり女優としての顔になっていたのが印象的でした。と同時に、さとみちゃんのナイスバディは、この頃からだったんだと、不埒なことを思わせてくれるシーンでもあります。(^_^;

DVDの方の特典映像では、貴重な、ホリプロスカウトキャラバンでさとみちゃんが水着でオーディションを受ける様子やグランプリ発表時の映像、映画撮影メイキングを見ることができます。まだDVDを見ていないという方は、この機会に是非購入して見てみてください。

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