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大河ドラマ「義経 完全版」 感想2

前回書いてからだいぶ時間が空いてしまいましたが、大河ドラマ「義経 完全版」DVDのストーリー紹介及び感想の続きを書きたいと思います。と言っても、ほぼ、さとみちゃんの出演するシーンについてしか書いていないので、大河ドラマ「静御前」の様相を呈しておりますが(^_^;

あくまで、私の様に最近さとみちゃんのファンになったという人向けに、参考になるように(ならないかも)書いているものですのでご容赦ください。

ストーリーもだいぶ端折っているため、登場人物もわかりにくいかと思いましたので、義経と静御前意外の登場人物について、大まかに紹介しておきます。

義経の郎党達:武蔵坊弁慶(松平健)、伊勢三郎(南原清隆)、駿河次郎(うじきつよし)、喜三太(伊藤淳史)、佐藤忠信(海東健)、佐藤継信(宮内敦士)、鷲尾三郎(長谷川朝晴)

うつぼ(上戸彩 ):義経の幼なじみ、密かに義経に淡い恋心を抱いているが、静の存在を知って諦める

千鳥(中島知子):溺れている弁慶を助けて恋仲になった漁師の娘

金売り吉次:義経が遮那王と名乗っていた頃から、なにかと手助けしてくれる商人。

あかね:金売り吉次の妻

さて、ストーリー紹介に入りますが、ドラマの第18回から第25回までさとみちゃんの出番はありません。

その間、物語は、平清盛の死、木曾義仲との戦いなどを経て、義経は遂に京の都に帰ってきます。この辺は飛ばし見しかしていないため、詳細は書けませんのでご容赦を。(^_^;

第26回「修羅の道へ」

京に入った義経(滝沢秀明)は御所に呼ばれ、丹後局(夏木マリ)と面会します。その様子を陰から後白河法皇(平幹二朗)が見ていて、義経に好印象を抱きますが、義経が帰った後、丹後局の「武士としての器量はわからない」との言葉に、少し様子を見ようと言います。

京での宿所に帰ってきた義経を、喜三太(伊藤淳史)が出迎え、あかね(萬田久子)が、尋ねてきていると告げます。

かつて世話になったあかねに会えることを喜ぶ義経ですが、弁慶(松平健)や三郎(南原清隆)たち郎党は、なにやらニヤニヤしながら、義経に早くあかねの待つ部屋に行くように促します。

義経が部屋に入ると、あかねの隣にもう一人、三つ指をついてお辞儀をしている女性がいて、その女性がすっと顔をあげ微笑むと、それが静であることに気付いた義経は、一瞬驚いたように目をしばたたかせ、もう一度よく顔を確認するように見つめます。

「お久しゅうござります」と挨拶する静に、やっと、「ああ、まこと」と頷くのが精一杯の義経。それを見て、やさしく微笑む静。

弁慶達は義経に、この屋敷で静と伴に暮らしてはどうかと勧めます、義経は、静の気持ちを聞きますが、静は、母を一人残すことが気掛かりと言い躊躇します。

そこで弁慶が、母上もいっしょ住んではと提案し、義経も同意すると、静はその言葉に嬉しそうに微笑んで、義経や郎党達を見渡し頷きます。

京の都の町並みが夕日に赤く染まるころ、家に戻った静は、母親の磯禅師に自分とともに義経の屋敷に住んで欲しいと頼みますが、磯禅師は、義経の屋敷に行くことを断ります。

そんな磯禅師に、静は、私は義経様のお側に居たいと、切々と訴えます。その気持ちを聞いた磯禅師は、何があっても辛抱できますか、義経様は武士であり、源氏の御曹司、静は決して妻にはなれないと言います。

静は厳しい眼差しで磯禅師を見つめ、そのことは覚悟の上であると告げます。

磯禅師はさらに、武士に戦はつきもの、常に生死のはざまに身を置いているもの、と静を説得しようとしますが、静は、それでも、それゆえ義経様の側にいたいと目を潤ませながら訴えます。

静の固い決意を知った磯禅師は、自分の白拍子の装束を静に渡します。

この装束を着て、のちに静御前が、「静や静」を舞うことになるんですね。

二人が屋敷で一緒に住むようになったある日、庭で花を植えている静。そこに義経が現れ、オダマキの花かと声を掛けます。静は、春には咲きますと答えて微笑みます。何となく良い雰囲気に。

そこに、弁慶達のケンカする声が聞こえてきて、二人が言ってみると、弁慶と三郎達がなにやらもめていて、事情を聞くと、三郎と次郎が、鎌倉にいる千鳥(中島知子)に会いたいんだろうと余計なことを言うのですと弁慶、三郎と次郎は、弁慶を心配して言っていると言うが、ただからかっているだけだと弁慶と喜三太は怒っていました。

それを聞いた静は、好きな人に会いたいのは、人の情けではないのですか、千鳥と離れて暮らす弁慶の胸の内をからかうものではありませんと、三郎と次郎を諭します。その言葉に、「はい」と笑顔で従う三郎と次郎。弁慶と喜三太も笑顔で顔を見合わせます。

その様子を傍らで見ていた義経も、にっこり笑って満足そうに頷きます。

その夜、傍らで静が奏でる笛の音を、目を閉じてじっと聞く義経。しかし、今度は、三郎たちが酔っぱらって歌い踊る騒々しい音が聞こえてきて、演奏が中断されてしまいます。

二人が良い雰囲気になりそうになると邪魔が入るという、コントの様なパターンに、なんともやきもきさせられる展開(^_^;

「せっかくの笛が」と残念そうに言う義経に、静は、「お気になさいますな、笑う声や怒る声、人の声があるというのは嬉しいものです」と微笑みながら言います。

少し離れた向かいの部屋で楽しく歌い踊る郎等達の様子を、静と二人で縁側に佇んで微笑みながら見つめていた義経が、「望んでいたのは、この様な日々だ、郎党や静と身内同士集まって、仲睦まじいこの様な暮らし、」と言うと、静も、「いつまでも続けばようございますのに」と頷きます。

その言葉に義経は振り返って、静の顔を見つめますが、その視線をはぐらかす様に静はそっと微笑んで、庭に降りていきます。

昼間植えていたオダマキの花の前にしゃがみ込み、手のひらで花に触れ、じっと見つめる静。

その後ろ姿を見つめていた義経も庭に降り、静の傍らにいっしょにしゃがみ込むと、二人は顔を見合わせて、幸せそうに微笑み合うのでした。

ある日、義経の元に幼なじみのうつぼ(上戸彩)が、「そろそろ戦に出る頃では」と、尋ねてきますが、義経の傍らに座っている静に気付き言葉を失ってしまいます。

その視線に気付いた義経が静を紹介すると、静は、微笑みながらうつぼにお辞儀をするのですが、その些細なやりとりに、二人の関係を感じ取ったうつぼは、ショックを受けたように立ちすくんでしまいます。

うつぼの気持ちを知っている喜三太たちも、気まずい雰囲気になりお互いに顔を見合わせたり、下を向いたりしています。

そんな空気を変えようと三郎がうつぼに陽気に話しかけようとしますが、うつぼはそれをさえぎって、「静様?」と静に話しかけます。「はい」と答える静。

うつぼは、その名前は昔聞いたことがあると言い出します。義経が遮那王と名乗っていた時分に、静という女性を探していて、借りた”かつぎ”を返さなければならないと言っていたと。

義経が「ああ」と頷くのを聞いて、うつぼは、にっこり笑うと、「義経様とは、幼なじみだから知ってたよ、名前」と、私の方が付き合い長いのよ的なジャブを静に向かって放ちます。(^_^;

静は一瞬考えて、「どうかよしなに」と、そのジャブをスウェーでかわし余裕の微笑みを見せます。

うつぼは、小さく「うん」とうなづくと、「まだ、戦の気配はないね」と言って、いたたまれないように、そそくさと帰ってしまいます。女二人の戦はあったけどね。(^_^;

その様子に何かを感じ取ったように目を伏せる静。義経もうつぼの気持ちを知ってか知らずでか、神妙な面持ちで、うつぼの去った方を見つめます。

まもなくして、後白川法皇より、義経と源範頼に対し、平家追討の院宣が下され、平家が陣を敷く一ノ谷へ出陣することになった夜。義経は郎党達と戦前の杯を交わしていました。

弁慶が、都での暮らしは短かったが楽しかったといい、三郎がそれも静殿が居てくれたおかげと言うと、郎党たちは皆うなずき、静に向かって頭を下げます。

義経も静の方を向いて頷きますが、静は皆を見渡すと憂い顔で、「私は都にて皆様のご武運をお祈り申し上げます。」と言って深々と頭を下げます。

弁慶達が身支度をすると言って席を立ち、部屋には義経と静の二人だけになります。

義経が、「戦なれば、今生の別れとなるやも知れず」と、どこか遠くを見つめるようなまなざしで呟くように言うと、静は、「それは、覚悟の日々でございました。一日一日を私の一生だと思いつつ過ごして参りました」と義経を真っ直ぐ見つめて言います。

その想いを聞いて義経も、「生きるか死ぬか知れぬが、いずれにしても私の戻るところは、静のもとぞ」と、静の方に向き直り声に力を込めて告げます。

静は、その言葉に目を潤ませ、「お待ちしておりまする」と三つ指を付き頭を下げるのでした。

夜も更け、しとしとと雨が降る中、一人瞑想に耽る義経。

そこに、母より渡された白拍子の装束に身を包んだ静が現れ、義経の前に座ると、「ご武運を祈る舞にて、お見送りしとう存じます。」といい頭を下げます。

そして、立ち上がり義経の前に進むと、歌いながら舞を踊り始める静、義経はその様子をじっと見つめています。

この時の歌声は、さとみちゃん自身のものでは無く、第三者の吹き替えになっていましたが、さすがに舞と歌両方をマスターするのは難しかったようです。(^_^;

しかし、舞については、足の運び方、指先まで神経の行き届いた腕の振り方など、初めて義経と会った寺の境内での稽古の時より大夫上達していたと思います。

舞が終わり、義経の前に座り深々とお辞儀をする静。

義経は、その姿をを見つめながら決然とした表情で、「では、参る」と言って立ち上がり部屋を出て行きます。

屋敷の外にでると、弁慶達が待っていました。義経は、皆の姿を見回して頷くと、ただ無言のまま、戦場への道のりを歩き出します。その後に付き従う郎党たち。

屋敷に一人残された静は、お辞儀をしたまま、義経たちの事を想い、唇をふるわせて大粒の涙をこぼすのでした。

馬にまたがり、京の街を行く義経主従と侍達、その後をうつぼが追いかけてきて、大声で「みんな、死ぬんじゃ無いよ」と声をかけます。

できるだけ目立たないように出発しようとしているのに、台無しじゃん。(^_^;

一行に追いついたうつぼは、「義経様、静様のことは私に任せて」と、視聴者も( ゚д゚)ポカ~ンの宣言をします。さらに「私が、静様の面倒をちゃんとみるから」と言ううつぼに、義経も「たのんだぞ」と言います。ここは、義経とうつぼの信頼関係ゆえと見て良いのかな、よくわかりませんでした。

遠ざかる義経たちの姿を、立ちすくんで見送るうつぼ。祈るように胸の前で両手を握りしめるように合わせると、その目には、涙があふれ、頬を伝って流れます。

放送当時は、静御前派とうつぼ派に分かれて、どっちがヒロインかという論争が巻き起こったりしたのかなと想像するんですが、うつぼが早々に身を引いてしまい、この後は、静に味方してしまうので、盛り上がらなかったのかなと思いました。

第二十七話「一ノ谷の奇跡」

言わずと知れた、一ノ谷の合戦の回です。さとみちゃんは殆ど出ていませんが、この一ノ谷の合戦と、屋島の戦い、壇ノ浦の決戦の話については、面白くてすべて視聴しました。その辺の話は、ここでは、書きませんが。(^_^;

さて、この回でのさとみちゃんの出番は、京の義経の屋敷で留守を守る静の元に、うつぼが尋ねてくるシーンだけです。

梅(?)の花の枝を持って屋敷の廊下を歩く静、ふと屋敷の陰に目をやると、人が慌てて隠れる姿が目に入ります。

怪しい人影に、「どなた?」と不安げに声をかけると、家の陰からうつぼがバツが悪そうに姿をみせます。

その姿に、「うつぼ殿!?」と驚いた声を上げる静、うつぼはその声に恐縮したように頭をさげると、「何か、困ったことはないかい?」と静に近づいて言います。

その言葉に驚いたように目を見張る静ですが、笑みを浮かべると、「気に掛けて下さったので」とうれしそうに言います。

義経の出陣の際、静様の面倒を見ると言いましたと告げるうつぼの言葉に、静も「うれしいこと」と言って微笑みます。

縁側に並んで座る二人、目が合ってぎこちなく微笑み合ったりしていましたが、しばらくして、うつぼが、「義経様は、大丈夫だよ」と、静に話しかけます。その言葉に黙って静も頷きます。

そして場面は、鵯越から真下の平家の陣を観察する義経達のシーンに移り、義経達は、鵯越の逆落としを仕掛けます。

義経の奇襲で混乱した平家軍は海上に敗走、敵軍の将の一人である平重衡を生け捕りにし、戦いは源氏の勝利で終わります。

京の都に凱旋する義経主従を賞賛して出迎える町民達。その様子を牛車の中からこっそり見ていた後白河法皇は、「九郎義経、思いのほか戦上手、あの者は使えるなあ」と悪巧みをする様子で呟きます。

ぶっちゃけこの人のせいで、義経と頼朝が争うことになるんですよね。

第二十八回「頼朝非情なり」

京の義経の屋敷。

気が急く様子で、小走りに屋敷の入り口に向かう静。

その耳に、馬のいななき声や蹄の音が聞こえてきて前を向くと、屋敷の門を義経と郎等達が丁度くぐり抜けて入ってくるところで、迎えに出ている静の姿を見て、皆嬉しそうに微笑みます。

静は、安堵と歓喜に目を潤ませながら、地面に座り込むと手を付いて頭を下げます。

三郎が、「静殿、我ら立ち返りましたぞ」と言うと、次郎も、「ほれ、みんなこの通り、怪我一つしてないき」と笑いながらが言います。

静は、顔を上げると「皆様、よくぞ、よくぞご無事で」と、感極まった様子で言います。

その様子を感慨深げに黙って見ている義経に対し、弁慶が、「御曹司」と促すと、義経は静に歩み寄り、「静にはいろいろと気掛かりであったろうが、この通りじゃ」と声を掛けます。

静は目に涙を湛え、義経の顔を見つめて、「おめでとう存じます」と、勝利を祝う言葉を述べ、義経もそれに応えて頷き、二人は微笑み会うのでした。

京に戻って早々に、頼朝から人質である平重衡を鎌倉に護送することを命ぜられた義経は、郎党たちを引き連れて鎌倉に向かいます。

そこで義経は、同族である木曾義仲の遺児、義高を斬首する非情さや、自分が目指す新しき国は、自分に従う者達の国だと言う頼朝に対し、ハッキリとはしない、かすかな隔たりのようなものを感じ始めていました。

第二十九回「母の遺言」

頼朝から、京都守護を命ぜられ京に戻ってきた義経主従。

そんなある日、義経の元に金売り吉次が訪れ、義経の母親の常磐が病に伏せっていると伝えます。

お見舞いに行った方が良いと言う静に、母上は二度と屋敷を訪ねるなと仰せられたと沈痛な面持ちで言う義経。

その心中を察した吉次は、私が常盤様の様子を逐一報告しますと言います。

いよいよ頼朝は平家を討つため、源範頼(石原良純)を大将として平家討伐軍を派遣します。

京で、範頼を迎えた義経でしたが、範頼から今回の戦には加わらなくても良いとの頼朝の命を告げられ愕然とします。

この少し前、義経は、頼朝の許しを得ずに後白河法皇から検非違使左衛門少尉に任官されることを受け入れたことから、これは、頼朝の罰だと憤る郎等達。

それから数日後、義経の元に頼朝の使いが現れ、義経に川越重頼の息女の萌を奥方として使わせると告げます。

三郎や次郎たちは、義経には静がいるので断るよう進言しますが、継信(宮内敦士)は、頼朝は義経に法皇の家来か頼朝の御家人かを問うているのだといい、奥方を断ることはできませんと言います。

その時、次郎が部屋の外で話を聞いていた静の姿に気付いて声をあげます、なんと言って声を掛ければ良いか躊躇する義経達に、静は部屋の中に進み、床に正座すると、「事の次第は承知しております、私は、明日お屋敷を去ります」と告げ頭を下げます。

沈痛な面持ちで静を見つめる義経が何も言うことができずにいると、弁慶が、鎌倉よりの奥方は名目上の奥方、我らは静殿こそ殿の真の奥方と思っておりますと言い、他の郎等達も同意の声をあげます。

弁慶に、殿はいかがかと胸中を問われた義経は、「弁慶の申すとおりじゃ」と目を覚ましたかのように静に告げます。

「なれど」と、それでも屋敷を去ろうとする静に弁慶が、「静殿にはこのまま、お屋敷にお留まりくださいませ」と励ますようにいいます。

その言葉に、静が顔を上げ義経の顔を確認するように見つめると、義経も頷き、静の側に近づいて片膝を付いて、「決して悪しゅうはせぬ、側に居てもらいたい」と告げ、喜三太や三郎たちも、是非、どうかと静を説得します。

皆の言葉に、「承知いたしました。なれど、万一障りが生じました成れば、身を引かせていただき等存じまする。」と言って頭を下げる静。

数日後、義経の正室として迎えられた萌(尾野真千子)が、屋敷にはいります。

ある夜、義経の元に母親の常磐が病を押して尋ねてきます。常磐は、平家討伐軍から外されたことや、鎌倉から奥方を迎えさせられたことなど、周囲で起こる様々なことに翻弄される義経を心配し、「まっすぐなそなた故、物事を曲げることは気に染まぬとは思うが、密やかな謀や企みの渦巻く中では、きれい事だけでは生きて行けぬぞ、くれぐれも身の処し方を誤ることの無きよう、物事を見定めよ、表もそしてその裏も見極めよ、善も悪も鎌倉も、法皇様をも」と諭して、帰って行きます。

その2日後、義経の元に母親が危篤との知らせが入り、急いで駆けつける義経。しかし、時既に遅く、母親の常磐は亡くなっていました。

再婚相手の一条長成から、今際の際まで母が自分の名を呼んでいたと聞かされた義経は、これまで見守ってくれたことを感謝し、頭を下げるのでした。

第三十回「忍び寄る魔の手」

義経は、京の都の守護に専念していました。最近、平家討伐のため都から兵が減ったため夜盗が増え、対策を話し合う義経と郎党たち、三郎と次郎は、平家討伐の軍を率いるべき義経が、夜盗ごときを相手にしている事を嘆くが、義経は、そんな二人を諫める。

そこに、正室の萌が「お帰りなさいませ、お出迎えもせずお許しくださいませ」と挨拶にくるが、義経は、「気になさるな」とよそよそしい感じで返答します。

この、萌に関しては、正室であるにもかかわらず義経や郎党たちの接し方も腫れ物にさわるような感じで、かなり可哀相な役回りになっています。

そのせいか出番も少なく、静をヒロインとして際立たせるため仕方のないことなのかもしれませんが、静御前派の私でも違和感を感じてしまいました。

このドラマでは、義経が本当に愛したのは生涯静御前ただ一人ということになっているそうですので、いっそのこと、正室は居なかったということにしても良かったような気がします。(正室がいないと、妾とは言わないか(^_^;)

さて、萌の挨拶に義経が答えた直後、屋敷の外からうつぼの「義経様にお話があるんだ」と大声で訴えるのが聞こえてきて、三郎と次郎は、その話の内容を察して慌てて外に向かいます。

うつぼは、「義経様は、どうして分けのわからぬ奥方を迎えられたのじゃ」と怒っていました。喜三太がなんとか制止しようとしているところへ、三郎と次郎が出てきて、奥に聞こえると黙らせようとしますが、うつぼの怒りは収まりません。「静様を娶るなら私も我慢できるよ、静様はいい人だから、でも、他のおなごを娶るなんて私は我慢ならない」と言って屋敷に乗り込もうとしますが、三郎達が必死に止めます。

そこに静が現れ、うつぼをはじめ、三郎、次郎、喜三太も気まずそうに驚いて固まります。それを見て、静は、ちょっと申し訳なさそうに会釈します。

静の部屋に招かれ、「そう、ここに」と、部屋を見回すうつぼ、部屋は4畳半一間ぐらいの広さで、板間にゴザを敷いただけの床に、薄そうな木版の壁で、冬はとても寒そう(^_^;

静は明るく、「ここは、台盤所(台所)にも近くて良いのです、喜三太などと朝げ夕げの手伝いもできますから」と言いながら床に座ると、その様子にうつぼも静の傍らに座り「もっとしょげかえっているのかと思ってた」と拍子抜けした様に言う。

その言葉に静は、「私の様な女が、武門の中でどのように扱われるか、まんざら知らぬ訳でもありません。鎌倉殿の御家来という義経様が、己一人の想いだけで済まぬ事もわかっております。」と、達観したように言います。

話をじっと聞いていたうつぼは、静の顔を見つめて、「静様は偉いね」と微笑みます。

静もうつぼの顔を見て、「そのようなしがらみは誰にでもありましょう、うつぼ殿にもきっと」と微笑みながら言います。

そう言われて、うつぼは、静の眼差しから視線を逸らし、「切ないね」と寂しそうに言います。

「だから、人には支え合う人が要るのです。もたれ合うのではなく、一人ですっくと立ったもの同士が支え合うのです。」と笑顔で言う静に、うつぼは、「慰めに来て、還って慰められちゃったね」と話しながら立ち上がります。その言葉に、「ありがとう」と返す静。

うつぼは頷いて、「そうか、私も一人ですっくと立たなきゃいけないんだね。」と、窓から刺す陽の光の方を見上げて言うと、静の方を振り返り、お互いに顔を見合わせて微笑みあうのでした。

京の都では、相変わらず夜盗の群れが、我が物顔で暴れ回っていて、その取り締まりは思うに任せない状況でした。

そんな中、義経は、闇の世界のボスである朱雀の翁(幼いときからの知り合い)に、盗賊達を集めるように頼み、盗賊達に戦で手柄を立て、所領をいただいた時には、耕す土地を与えると約束し、それまでは、都で盗むもの達を、そなた達の手で取り締まって欲しいと頼みます。その後、少しずつ都から夜盗の横行が減っていきます。

義経は、法皇から、検非違使としての都の安寧に勤めた功績を認められ、従五位下の位を授けられます。

夜、部屋で仏様に手を合わせ祈る静。その傍らに座り、じっと仏様を見つめる義経。「なれど、心配でございます」と切り出す静に、「心配とは?」と優しく聞き返す義経。

静は、義経の方に向き直り、「義経様には、お目出たき事とではございましょうが、それがこう次々と重なると、なにやら、得たいの知れぬ物の怪に、見据えられてでもいるようで」と言います。

義経は、俯いてしばし考えた後、顔を上げて静の顔を見つめ、「私の事は心配いたすな」と安心させるように言います。

それを聞いてかえって心配になったのか、表情を曇らせ義経の顔を見つめる静。義経は、その顔をじっと見つめて、微笑みながら頷くと、静も次第に顔をほころばせ、「はい」と微笑み返します。

部屋を後にしようとする義経を呼び止め、三つ指を付いて頭を下げると、「吉事の後には、不吉がと申します。なにとぞご用心なされますよう」と告げる静。義経はそんな静を見つめ、「あいわかった」と言って部屋を出て行きます。

静は、それでも心配をぬぐいきれない様子で、俯いて考え込みます。

一方頼朝は、法皇に平家討伐とその大将に義経をと願い出ます。頼朝は、義経に平家を如何に打ち破るか試練を与えるつもりでした。

頼朝が平家追討の大将を自分に任せるよう願い出たと聞いた義経は、歓喜し、法皇の平家追討の命を受けるのでした。

第三十一回「飛べ屋島へ」

屋敷に戻り、郎党達に頼朝の推挙により、法皇より平家追討の総大将を命ぜられたことを告げる義経。それを聞いた弁慶達はやっとこの時がと喜びます。

そこに、梶原景時(中尾彬)と息子の景季(小栗旬)が尋ねてきて、景時が頼朝から軍目付を命ぜられたことを伝えます。義経主従と戦ができることを喜ぶ景季とは対象的に、景時はどこか不満げな様子で義経を見つめています。

夕暮れ時、縁側に胡座を組み夕日に染まる空をじっと見つめている義経。その傍らに静が座り、「白湯が入りましたが」と声を掛けます。

義経は静の方を向き直り頷くと白湯には手を付けずに、また、空を見つめて、「此度はおそらく、源平の雌雄決する戦となろう」と険しい表情で言います。

その表情に静は、「どうか、御身を大切に、此度の義経様は、何やらただならぬご様子、お命をなげうつ覚悟に見えまする。」と心配そうな表情で問いかけ、義経の顔をのぞき込むように見つめます。

ここの、のぞき込む仕草と表情が可愛い (*´∀`*)

その言葉に義経は、「私はここしばらく、鎌倉殿(頼朝)の信頼を失っていたのだ」と遠くを見つめるような眼差しで言い訳でもするように言うと、静も同意して「はい」と言って俯きます。

さらに、「だからと申して、鎌倉殿を恨む心は無かった。兄弟なればいつか思いが通じ、勘気もとけるときも来ると、その時が来たのだ静」と、訴えかけるように静の顔を見つめて言う義経に、静も、「はい」と答え、義経を見つめ返します。

「鎌倉殿は私に温情をくだされたのだ、それにはなんとしても答えねばならぬ、我が命に代えてもな」と意を決したような面持ちで訴える義経に、静も、「ご武運、疑いなしと存じます」と応え、二人は互いを思いやるように見つめあうのでした。

第三十二回、第三十三回は、さとみちゃんの出番はありません。

第三十四回「妹への密書」

屋島で、またもや奇襲で平家を敗走させたものの、平家軍は、長門の国に逃れてしまう。その後を追う義経。

そんな中、京の義経の屋敷で留守を守る静の元をうつぼが訪ねてきます。

庭で洗濯物を干す静がうつぼに気付き顔をほころばせると、うつぼは、「お徳のおばば(やっぱり小さいときからの知り合いで、組紐屋)から、義経様の様子を聞いたから」と話す。

静も、「屋島の平家方に打ち勝たれたとか」といい、うつぼを驚かせます。「三条の吉次殿の小者たちに聞きました。」と笑顔でうれしそうにはなす静に、うつぼも納得したというようにうなづきます。

その時、義経の正室の萌が二人をじっと見つめているのに静が気付き、静は恐縮したように頭を下げ、うつぼは、気まずそうに「じゃあ、私は」と言って帰ろうとします。

そんなうつぼに対し「待たれよ」と声を掛ける萌、「あなたは確か、うつぼ」と、名前を思い起こすように言うと、「あなたにも私の話を聞いてもらいたい」と言います。

思いがけない言葉に、うつぼが振り返ると、静も心配そうな面持ちで萌の言うとおりにというように頷きます。

この時、静の脳裏に、北条政子に殺されそうになった亀の前の事がよぎったのではないかと想像しました。(^_^;

静の部屋に三人が座ると、「静殿のことは気付いておりました」と切り出す萌。

そりゃあ、義経を初め、周りがあれだけ露骨では、気付かない方がおかしいですよね(^_^;

その言葉に、咎められるのではと恐縮する静と心配そうに振り向くうつぼ。「静殿と義経様の事は」と沈んだ様子で話す萌に、静は震えた声で、「あの」と弁明しようとしますが、それをさえぎるように萌は、「うつぼを初め、いろいろな者たちが、静殿の元には尋ねて参っているという。それに比べ、私は義経様に望まれてこちらに参ったのでは無いゆえに・・、なれど義経様の妻は妻、主の消息を知らぬでは、武士の妻としてつとめが果たせませぬ」と寂しさと悲しさを湛えた表情で言う萌に、静もうつぼも返す言葉を失ってただ俯いていると、突然萌が、静の前で床に手をつき頭を下げながら、「こののち、義経様のご様子が知れましたときは、どうか私にも知らせてもらいたい」と頼みます。

その様子に驚いた静が、お手を上げてくださいと懇願し、「そのこと、承知しました」と告げますが、続けて、「なれど、私の様な者が、このままお屋敷に留まっていては・・」と言おうとする静の言葉をさえぎって、静にここを出て行って欲しいのでは無い、今までのように同じ屋敷の中に有って隔たりをおくのではなく、時には言葉を交わしたい、うつぼとも、そして、戦に赴かれた義経様の留守を伴に守りたいと訴える萌。

静は、承知しましたと頭をさげ、うつぼも、いっしょに頭を下げるのでした。

大河ドラマ「義経 完全版」感想3に続く

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