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映画「MONSTERZ モンスターズ」感想

さとみちゃんが出演している映画「MONSTERZ モンスターズ」を観てきましたので、感想を書きたいと思います。若干ネタバレしているところもありますので、まだ観ていない方は、ご注意ください。

さて、本作は、目で見た人間を自分の思い通りに操る能力を持つ「男」(藤原竜也)と、その力が唯一通じない田中終一(山田孝之)の壮絶な死闘を描いた作品です。

さとみちゃん演じるに雲井叶絵は、ストーリーの前半は、終一との衝撃の出会い、お互いが地図マニアであることが分かって打ち解け合う場面など、割とほのぼのとした展開が続きます。

叶絵が初めてダイニングに終一を入れた際、壁一面に書かれた地図の絵や、テーブル上の地図の山を見た終一のリアクションを固唾を飲んで見守る表情から、終一が地図マニアだと知って嬉しくなり地図にまつわるトリビアを興奮しながら話しだす場面は面白かったです。

中盤からは「男」の襲撃によって叶絵は父親を亡くし、悲しみにくれる表情か、「男」に操られて精気をなくした表情だけになりますので、さとみちゃんの笑顔があまり見られなくなります。

「男」に操られて静止するシーンは、さとみちゃんを始め、他の俳優の方ややエキストラの方々も違和感なく、操られている空気感が伝わってきました。スクリーンに映し出される静寂の生々しさから、敢えてCGや静止画ではなく、実際に人の動きを止めて撮影するという手間のかかる撮影方法を選んだ意味を感じ取ることができました。

それから、終一の友人であるジュン(落合モトキ)と晃(太賀)については、おねえキャラとオタクキャラというステレオタイプなギャグ要員では有るものの、所々にアクセントとして笑いを提供していて楽しかったです。

アクションも迫力があり、特に格闘家の川尻達也さん達との肉弾戦は、「男」によってリミッターを外された川尻さんの超人的なパワーで追い詰められていく終一の焦燥感も伝わり、ハラハラしながら見ていました。

「男」が操る人々が、終一に投げられても蹴飛ばされても起き上がって向かってくる様は、バイオハザードのゾンビを彷彿とさせますね。クライマックスの劇場で終一が群衆にもみくちゃにされて飲み込まれていくシーンは群衆の力の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。

この劇場のシーンで、「男」に銃を向ける叶絵が、「男」に操られて徐々に意識を失っていくシーンは、殺意に満ちた眼差しから焦点の合わないうつろな目に徐々に変わっていく様が本当に見事でさとみちゃんの目の表現力の高さをあらためて感じさせてくれるものでした。

二人の主人公についてですが、先日放送していた、映画「藁の盾」を見ていたので、「男」と清丸国秀のイメージが重なり、「男」は、もっと残虐な性格なのかと思っていたのですが、映画が進むにつれ、そのイメージは薄れ、むしろ愛情に飢えており、人とのふれあいを欲している人物のように見えました。

そんな「男」の孤独を同じ能力者である終一は見抜いて、ラストのあの行動に結びついたのかなと思いました。

映画「MONSTERZ モンスターズ」は、アクションあり、サスペンスあり、笑いありと肩肘張らずに気軽に見られる映画となっていますので、まだ見られていない方は是非見てみてください。

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