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実写版映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」感想

実写版映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の感想を書いておきます。いつもは公開中の映画については極力ネタバレしないように書くのですが、今回は前後編2部作の前編ということで完全ネタバレ有りで書いていますので、ご注意ください。

ストーリー

実写映画化にあたり、ストーリーが変更されていますが、私はそれほど違和感なく楽しめました。

エレンが原作よりへたれな所は、パンフレットを読むと原作者の諫山創さんの意向を汲んでのものだったようです。そのエレンが様々な地獄を見て最後に原作のように巨人に立ち向かっていくというのが後編まで含めた大まかなプロットのようですね。

唯一引っかかったのは、エレンが「巨人を駆逐してやる」と思う動機が弱すぎるような気がした所です。ミカサを殺されたと思っていたエレンが巨人に復讐を誓うのは分かるのですが、ミカサが生きていた時点でその動機が失われてしまったわけですし、たとえばアルミンを殺されたというのなら動機としてはわかりますが、ちょっとの間一緒にいた女性の死が切っ掛けというのはどうなんでしょう?もしくはミカサをシキシマに取られた逆恨み?ここはちょっと唐突に感じた所です。

ハンジ・ゾエについて

さとみちゃん演じるハンジについては、やはりアニメ版の声優の朴璐美さんに直接指導を受けたと言うだけあって凄くハンジの特徴を掴んで演じられていたように思います。ハンジとしての口調や声もさることながら、エレン巨人を見た時の恍惚とした表情が良かったです。

ネットでの反応も「石原さとみがハンジそのままだった」、「ハンジが良かった」など、もの凄く評判が良くて、不安になってネットで「ハンジ」って検索しちゃうさとみちゃんもホッと胸をなで下ろしていると思います。

しかしファンとして私は心を鬼にして辛口批評しますよ、さとみちゃん演じるハンジには重大な問題があります。

そう可愛さを隠し切れていないんです。髪や顔をいくら汚しても可愛さが消せずにちょっと兵器隊長としては頼りない感じになっちゃって、ドジっ子ハンジ萌えみたいな…いや私は好物なんですが、すみません激辛な批評でさとみちゃん。

ただ、前編では戦闘でハンジの活躍するシーンはないのでそこは少し残念でした。これは後編とdTV版のドラマに期待するしかないですね。

巨人について

超大型巨人は本当に迫力ありました。桁違いの大きさと重量感はやはり大きなスクリーンでないと味わえないなと思いました。あと何回かは観に行きたいのですが、今度は最前列で見上げるような角度で見て、エレン達の心情を追体験しようと思います。

それ以外の巨人についても、不気味な表情と肢体は漫画の再現度が高く、冒頭の壁の穴から進入してきて次々と住民達をつまみ上げて食べていくシーンは、狭い街中で逃げられない住民達の恐怖が切迫感を持って伝わってきて原作で感じた恐怖を追体験出来ました。

でも唯一残念だったのはスバルのCMで見られたような巨人のスピード感が感じられなかったことです。あれだけ大きくても走って逃げれば逃げ切れるのであればそれほど怖くないなと思いました。実際劇中でもエレン達が走って逃げている場面がありました。

その大きさに見合わないスピードが巨人達の脅威であって原作では地上に降りたら勝ち目は無いみたいな感じでしたよね。ゴキブリが何故怖いってあのスピードで動き回るからでカブトムシぐらいの動きなら気持ち悪くても全然怖くないと思います。逆にカブトムシがゴキブリのようなスピードで動いたら恐怖を感じるでしょう?あの巨体で素早く動く巨人がいれば、本当に怖いと思います。

ただ、エレン達を追って猛スピードで角を曲がってくるシーンや、立体機動装置で飛んでいる兵士を空中で蝿のようにビルの壁に叩き付けるというシーンがあったりして、巨人のスピード感を感じさせる演出もありましたので、立体機動による戦闘が増えるであろう後編ではスピード感がましてさらに怖い巨人が見られるのではと期待しています。

あ、余談ですが、エレン達が走って逃げるシーンで自分は車で逃げながら「もうちょっとで高い建物があるから頑張れ」みたいなこと言うハンジさん鬼と思いました。(^_^;

描写のグロさについては小学生(男の子)が見られていた位なので、よほどそういうものが苦手な方で無い限り大丈夫かと思います。この小学生ハンジの登場シーンで喜んでました。舞台挨拶でさとみちゃんに声を掛けた小学生で小さいながらも分かってるなと思いました。

立体機動による戦闘について

予告篇が公開されてから何かと批判の多い立体起動装置の再現度ですが、実際にスクリーンで見てみるとシキシマとミカサの立体機動装置による戦闘はもの凄く格好良かったです。巨人やビル群の間を縫って飛び回り、巨人の肉をそぎ落とす描写はアニメの動きをある程度再現できていたかなと感じました。ミカサが巨人の股の間をくぐって後背部に回り込みうなじを切り裂くシーンは興奮しました。

それに対してエレンたち外壁再建団のメンバーたちは、まだ立体機動装置での戦闘になれていないという設定なので、殆ど飛んで戦闘していないというのが残念でした。ラストにかろうじてエレンが立体機動を使って巨人に立ち向かいましたが、初めての実戦ということもありうまく飛べていないのであまり格好いい戦闘シーンでは無かったです。あ、唯一壁に貼り付くところは格好いいなと思いました。

演出として仕方無いのですが既に映画を観た人が立体機動について批判しているのはこのこともの関係しているかもしれないですね。なので後編にあるであろう立体機動装置での戦闘に慣れたエレン達が集団で巨人に立ち向かうシーンを観れば映画のこの部分の評価も変わるかもしれないなと思いました。

各キャラの見所について

巨人に掴まり飲み込まれそうなアルミンをエレンが引きづり出して代わりに自分が飲み込まれてしまう原作を踏襲したシーンのエレンは格好良かったです。アルミンが掴まるところではアルミンファンらしき観客の「イヤァ」と息を呑むような悲鳴が聞こえました。巨人を倒してホッとしたつかの間の出来事だった思わず声が出てしまったのかなと思いました。 

その後のエレンが巨人になるところの右手の拳を突き上げるポーズが、まんまウルトラマンの変身ポーズでニヤリとしました。

エレンを飲み込んだ巨人はピエール瀧さんでしたね。上映中、あれ?ピエールさんに似ているなと思ったのですが、上映後の1回目の舞台挨拶で「どうも18m級巨人です」と言っていたので確信しました。2回目の舞台挨拶ではまだ見ていない人がいたのでその辺は濁していましたが、「お台場のガンダムが18mなので帰りに見て18mってこれくらいなんだと感じてください」って言っていました。

サンナギ役の松尾諭さん美味しすぎです。巨人のアキレス腱を薙刀でぶった切るわ、一本背負いで投げ飛ばすわ、あなた何者と思いました。私はこういうのは批判するより笑って楽しむ方なので後編でも暴れ回って欲しいですね。

アルミンとサシャは今回殆ど活躍の場が無かったですが、二人がいい雰囲気になってたりして、バカップル2号誕生を期待しています。

伏線と謎

シキシマがエレンの両親は小さいときに死んだと聞いたとき、「モンゼンのエレン?」と何か知っていることを匂わせるシーンがありましたが、エレンが巨人化できることと関係があるのでしょうね。

最後の爆薬を盗もうとした人物、冒頭の人混みの中にいたことを考えると壁の内側の人間で、武田梨奈さん演じるリルとトラックの運転席で格闘戦をしていることから、体術もそれなりに出来て、何らかの理由で壁をふさがれては困る中央政府の憲兵団のような組織の人間でしょうか?

まとめ

映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」は、最高に楽しいエンターティメント作品だと思いました。後編ではさらに激しい巨人達との戦闘が繰り広げられると思いますので本当に楽しみです。

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