5→9~私に恋したお坊さん~

お誕生日おめでとうございます。それだけが言いたくて会いに来てしまいました。月9ドラマ「5→9~私に恋したお坊さん~」 第1話 感想

さとみちゃん主演の月9ドラマ「5→9~私に恋したお坊さん~」の第1話を見ました。

待ちに待ったさとみちゃん主演のラブコメ、しかも月9というこれ以上ない状況にファンとしても放送が凄く楽しみでしたが、ちょっとした不安もありました。というのも原作は月9でラブコメというより木10で大人の恋愛系という印象でしたのでこのまま放送できるのかと危惧していたわけです。

しかし蓋を開けてみればストーリーや登場人物の背景など原作とガラリと変わっていて、ほんとに王道ラブコメっていう感じのドラマになっており、原作からプロットだけ借りたアナザーストーリーといった感じでした。

とにかくさとみちゃん演じる潤子が可愛いし面白いし、入浴シーン、ファッションショーとサービスシーンもバッチリ(*^ー°)b と、これこそ私が待ち望んでいたドラマだと興奮ひとしきりです。

これから第1話の感想を書いていきますが、原作を含めてのネタバレがありますのでご注意ください。

等身大になった主人公 桜庭潤子

さとみちゃん演じる主人公の桜庭潤子は、原作よりもずっと等身大な主人公になっていました。

原作での潤子は英会話教室の日本人講師の中でトップクラスの英語力をもち、初めて受けた正社員採用試験も「ある人物」の邪魔が入らなければ成績トップで採用確実だったほどの実力の持ち主です。

私生活もマンションに一人で住み、ブランド物の靴をこよなく愛す(カードで買ったみたいですが)、高嶺と一緒にタクシーに乗った際もタクシー代を心配したりする様子も無く取りあえずお金に汲々としているという印象はありませんでした。

対してドラマの潤子は、英会話教室の他の講師と比べて突出した実力はないという描かれ方だったように思います。それどころか他の講師がハーフ(木村アーサー)や帰国子女(山渕百絵)というアドバンテージがあるのに対し、潤子は留学経験も無く(原作では留学経験有り)環境的にはかなり不利な状況です。

そのせいか、正社員試験には一度落ちていますし、木村アーサー(速水もこみち)の代役で授業を受け持った際、生徒に教えたスピーチの原稿が現在の英語としては古すぎるという理由でトラブルに発展してしまいます。

住まいも英会話教室のある表参道から電車を乗り継いで約40分(熊野前駅のある荒川区東尾久と想定)の自宅アパートに両親、妹と4人暮らし。部屋着は高校のジャージで、ニューヨークに行くため倹約してランチは一人で手作りのおにぎりを頬ばり、自家製の貯金箱にお金を貯めているなど、貧乏ではないもののお金に余裕がないといった感じでした。

また、家族との仲の良さや商店街の住人から気さくに声を掛けられる様子は庶民性を感じさせ、慎ましい暮らしと相まって視聴者にとってより自分を投影しやすく親しみやすい等身大の主人公になっていると思います。

ドラマ化するにあたって視聴者により近い距離の主人公ににしたのは、そんな頑張っているけどいまいちな、「普通」の主人公が高学歴、高収入、イケメンの男性に見初められるという、女性にとって憧れのシチュエーションで視聴者を惹きつけるという意図が有ったように思います。

そんな潤子をさとみちゃんがコミカルに演じることによって、ますます魅力的になっていると感じました。

灰まみれの王子様 星川高嶺

頭から灰をぶっかけられるという最悪の出会いをしたにもかかわらず、なぜか潤子に一目惚れし常識外れの猛烈なアタックをしてくる星川高嶺(山下智久)ですが、基本的に感情に乏しいため、その心情は全く読み取れません。

でも、高嶺の表情に微妙な変化が見られた箇所が1カ所ありました、それはお見合いの席で潤子がカニを食べるところ。美味しそうにカニを頬ばる潤子を驚いた様な不思議がる様な表情で見つめていました。

そのあと潤子に「美味しいですよね」と聞かれた高嶺は「嫌いではありません」とだけ答えて潤子を困惑させますが、このやりとりで、もしかして高嶺は自分の感情を押し殺すように育てられてきたのかもしれないなと思いました。

きっと周りにもそんな人たちばかりで、感情を露わにして本当に美味しそうにカニを食べる潤子が不思議で、この時高嶺はきっと「何て美味しそうに食べる人なんだろう」と思い、そんな素直な潤子に魅かれたということなのかなあと感じました。

そんな高嶺と潤子の恋愛ですが、今のところは高嶺の一方通行で潤子は迷惑がっていますね。

一歩間違えればストーカーと言われかねない高嶺の行動ですが、原作では高嶺が潤子に言った暴言とも言える数々の言葉には後で意味があったと明かされていることもあり、実は潤子のことが好きすぎて、初めての感情に心をコントロールできずおかしな行動に走っているということらしいです。

高嶺が潤子を車で迎えに来るシーンは、ホント何回も見ちゃいます。雨に濡れたさとみちゃんが可愛いし、傘から顔を出すときの山下さんが格好いいです。

そして、「お誕生日おめでとうございます。それだけが言いたくて会いに来てしまいました」という高嶺の言葉が素敵すぎる。こんな風にスマートに言ってみたいものです。

ここは高嶺が純粋に潤子を好きだと分かる良いシーンだと思います。その後の行動が問題ですが。(^_^;

余談ですが、この少し前のシーンでドラム缶の上にちょこんと乗っているカエル君を見て潤子は悲しそうな顔をします。ディア・シスターでバジルに意味があったように(あなたを愛しています)、カエルにも何か意味があるのかなと思って調べてみました。

するとアメリカの諺に「空から蛙が降ってくる」というものが有り「人生が行き詰まって身動きが取れなくなる事」という意味があることが分かりました。(「CinemaScape-映画批評空間-」さんより)、空から降ってきたわけではありませんが、仮に潤子がこの諺を知っていて蛙を見たら「ああ、今の私にピッタリ」と思っていたかも知れませんね。

これは流石にこじつけになっちゃいますが、上記ページに記載されている映画「マグノリア」の主題歌、エイミー・マンの「SAVE ME」の歌詞(「映画で広がる音楽」さんより)もこのシーンの潤子の感情にピッタリで、偶然の一致にしても面白いなと思いました。

話がわき道にそれましたので、二人の話に戻します。

第1話では、潤子と高嶺が原作と違いセックスどころかキスもしなかったことからドラマでの二人はプラトニックな関係で行くようで、自分的にはホッとしています。

また、今のところ高嶺は潤子に「結婚しましょう」とは言っても「好き」とは一度も言っていません。もしかするとこのまま最終回あたりまで好きとも言わずキスもないのかも知れませんね。そして最終回は、正社員に昇格しニューヨークに赴任する潤子を追いかけて空港で好きって言ってキスするんですね分かります。(それって、なんてリチプア)

男の娘 里中由岐

潤子の生徒の一人である里中由岐。原作を読んでいる方はおわかりと思いますが、「男の娘」です。(^_^;

twitter上では、そのことを知らなかった蜂屋蓮司役の長妻怜央さんのファンの方の「キャー!くっつきすぎ!」などの阿鼻叫喚の声が聞かれましたが、一方で由岐が男の娘と知っている私は、潤子に由岐が抱きつくシーンで、「ギャー、抱きついたぁ!」とジタバタしていたのでした。(^_^;

この里中由岐役の男の娘、もとい男の子は中学生の高田彪我さんだそうです。公式ホームページにもまだ名前がなく制作側も伏せている様子です。(エンドロールには名前がありました。)それにしてもスタッフさんよくみつけてきたなあと感心しました。原作読んでなかったら私も完全に女の子と思っていたかもしれません。正直、由岐は男性がやるのは無理があると思っていたので。

ただ、あるとしたら、まだ声変わりのしていない中学生ぐらいの子かなとは思っていましたので、その予想は当たりました。

ネットや漫画をみない層がどのくらい見ているのか分かりませんがその人達が由岐を男の娘と知った時の驚く顔を見てみたいです。

潤子の憧れ人 清宮真言

原作では8巻ぐらいで登場する上司の清宮真言(田中圭)ですが、ドラマでは第1話から高嶺の恋のライバル役として登場しています。

原作にはなかった潤子のかつての先生という設定と潤子の目標としているニューヨーク本店で働いている先輩ということで、潤子にとって憧れの人で有りかつ微妙に恋心もあることが、歓迎パーティーで新しいゼネラルマネージャーが清宮と知ったときの潤子のはにかんだ表情から感じられました。

高嶺にとっては最大のライバルですが、潤子とは友達関係の三島聡(古川雄輝)とともにどんな恋愛模様を繰り広げてくれるのか凄く楽しみです。

余談ですが、公式サイトの相関図で、清宮真言から潤子への矢印に書いてある言葉が「変な女」のままになっています。これが、清宮の本音だとしたら怖すぎるんですけど(^_^;

原作では確かにこんな感じなので放送前に見た時はまったく違和感なかったですが、第1話の清宮を見た後では違和感ありまくりです。まあ、スタッフさんの間違いだと思いますが。

潤子の家族について

脳天気な母親とお調子者の父親、しっかり者の妹という感じの潤子の家族。

上島さんのお父さん役が思ったより嵌まっているのに驚きました。調べると結構ドラマに出ているのですね。お母さん役の戸田恵子さんとの掛け合いも絶妙でした。

妹の寧々(恒松祐里)は原作のようにネガティブじゃ無く元気娘で姉コンプレックスもないっぽいですし、普通に仲のいい姉妹でドラマ「ディア・シスター」を思い出しました。

その他の登場人物

原作にはいない伊能蘭(中村アン)ですが、潤子が髪をかき上げる仕草をしたり、地味な服装で出社したりしたとき「んっ」って言う表情をする瞬間があって、私の曲解かもしれませんが潤子に対して腹に一物を持っているような雰囲気でした。

もしかすると原作で毛利まさこが持っていた黒い部分(潤子が知られたくなかったり言われたくないようなことを三島や星川の前で言ったり告げ口したりする)を伊能蘭が受け持つのかも知れないなと思いました。

次回予告

第1話のラストで潤子が高嶺に監禁されてしまいましたが、原作では監禁された潤子が高嶺にあんなことや、こんなことをされ、その欲望の餌食に……という妄想を潤子がします。

第2話では一橋寺で潤子がドタバタな花嫁修業するようですね。次回も楽しみです。

月9ドラマ「5→9~私に恋したお坊さん~」の第2話 感想

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