シン・ゴジラ

映画「シン・ゴジラ」ネタバレ感想 

映画「シン・ゴジラ」ネタバレ感想 

さとみちゃんが出演している映画「シン・ゴジラ」を観てきました。

総合的な感想は日本映画やるじゃん!です。

ストーリーがめまぐるしく展開していくので2時間飽きないですし、ゴジラを初めとするCGもところどころ合成が荒いところがありましたが、おおむね迫力のある、十分見応えのある映像に仕上がっていたと思います。

さて、ここから完全ネタバレありの感想を書いていきますのでまだ映画を観いない方はご注意ください。

ゴジラについて

肝心のゴジラですが最初上陸したときはゴジラじゃないじゃんって思ったけど、実はゴジラの第2形態でした。

最初の上陸で津波のように川を遡上していくゴジラ第2形態。その周りにたくさんのボートや木材などが浮いておりゴジラはそれらを巻き込みながら進んでいく。さらにビル群を破壊しながら進むゴジラ。ゴジラの通った後はテレビで目にした東日本大震災後の沿岸部の町の光景そのものでした。

そしてドンドン進化していくゴジラの最強ぶり、自衛隊の最新兵器はまったく通用しない、
米軍の兵器はさすがにゴジラにダメージを与えるのに成功したけど、それでも致命傷は与えられない。圧倒的な無敵感とともに東京が、日本がやばいと感じさせてくれる。

ゴジラが火炎の放出から徐々に収束させて熱線を放射するシーンは興奮しました。(冷静に考えるとあのシーンで数万人は亡くなっている可能性があるので喜んでいいシーンではないんですがフィクションと言うことで。)

あるべきゴジラの姿というか、畏怖すべき超自然的な存在。まさにこれが観たかったと思わせる場面の連続でした。

この辺は期待されるものと違った内容で批判を浴びることになってしまった映画「進撃の巨人 attack on titan」とは異なる点ですね、あの映画では、ただ一人原作を忠実に再現することにこだわったさとみちゃん演じるハンジが高評価でした。エンターティメントとして自分の表現したいものを見せることも必要ですが、観客が観たいと思う映像を見せることも大事だなと思いました。

ところで劇中でアメリカがゴジラの体組織のサンプルをほとんど持っていってしまったと言われてましたが、今度作られるハリウッド版のゴジラはその細胞から誕生したりして、そんなコラボもあるかもしれませんね。

人間ドラマについて

また、この映画で描かれるストーリーのもう一つの軸は突然の巨大不明生物の出現に翻弄される政府内部の人間ドラマであり、想定外の出来事に右往左往する総理や閣僚たちとか、緊急時でも通常の手続きにこだわる官僚たちとか、会見をするのに会議が必要だったり、何も意見を述べない御用学者など、確かに実際にゴジラが出現したらこうなりそうって展開にクスリとしました。怪獣映画としてだけではなくディザスター映画としても面白いなと思いました。

そういえば番宣で出演した番組で主人公の矢口役の長谷川さんが、台詞が膨大で「早口で話さないとカットされますよと監督に言われていた」と言っていましたが、大臣の一人りが被災状況を報告しているときに「中略」と表示され台詞がカットされて思わず笑っちゃいました。あれは脚本にあったのかな。延々としゃべってばっさり切られてたらお気の毒。

カヨコ・アン・パタースンについて

さとみちゃん演じるアメリカ大統領特使のカヨコ・アン・パタースンは、私が勝手に想像していたスパイ的なイメージとは全く違って、政治家という言葉がしっくりくる役柄でした。自分から提案したといボディコンシャスなスーツはセクシーで格好良かったです。

さとみちゃんがインタビューでエヴァのミサトやリツコをイメージしたと言っていましたが、確かにかがみ込んで髪をかき上げる仕草とか、ビルの屋上で腕を組んでゴジラを見つめるシーンなどミサトを彷彿とさせました。

英語の台詞も全く違和感なく説得力を持っていたと思います。

ただ、残念なのは主要キャストの中で3番手の扱いでありながら、実際の出演シーンが少ないことですね。もうちょっと「ヤシオリ作戦」に絡んでほしかったと思いました。やはり主演していた月9ドラマ「5時から9時まで~私を愛したお坊さん~」と同時期の撮影だったことが多少は影響しているのかなと思いました。

ヤシオリ作戦について

主人公の矢口(長谷川博己)の元に集められた各省庁の異端児たちで構成される「巨大不明生物特設災害対策本部」がゴジラの謎を次々と明かしていき「ヤシオリ作戦」を立案していくところはこの映画の見所の一つで、爽快感とカタルシスを感じさせました。

そして「ヤシオリ作戦」はエヴァの陽電子砲ほどの派手さはないけれど、日本の総力戦という感じで興奮しました。

この「ヤシオリ作戦」は完全にエヴァンゲリオンの「ヤシマ作戦」のオマージュになっていて、日本中の化学工場で血液凝固剤を生成するところとか、タンクローリーが連結されていくところとかはニヤリとできますよね。

また、ゴジラの口に血液凝固剤を注入する建機が福島第一原発事故で活躍したコンクリートポンプ車だったりと現実を反映した描写も面白かったです。

科学オタクのたわごと

次に科学好きの私として気になった点を書いてみます。

ゴジラの通った後から見つかった新元素は半減期が20日ということで矢口がほっとしていましたが確かに半減期の長いものと比べて短期間で減衰するとは思いますがその分放射能も強いでしょうし、壊変後の孫核種には半減期の長いものもあるんじゃないかなと気になりました。

また、新元素が見つかったということはゴジラの体内で核融合が起きているということだと思います。劇中にゴジラの体内に元素変換膜というものがあることが語られますが、これが核融合を促す触媒のようなものと推察されます。とするとゴジラは体内で低温核融合を行っていることになり、そりゃあ世界各国はのどから手が出るほどほしいでしょうね。

最初ゴジラのエネルギーは核分裂反応によるものと思っていたので、ゴジラの血液による冷却を停止したらメルトダウンしちゃうんじゃないかと思ったのですが、核融合であれば反応が停止するだけなので「ヤシオリ作戦」は有効なのかなと思いました。

余談ですがちょっと前に113番目の元素を日本の研究者が合成したことが認められ「ニホニウム」と命名された(現時点では予定)ことが話題になっていました。このゴジラから発見された新元素に名前をつけるとしたら「ゴジラニウム(Gz)」とでも命名されるのでしょうか。

まとめ

長々と書いてきましたが、まだこの映画を観ていない方は是非観てほしいです。エヴァンゲリオンのオマージュが沢山ちりばめられており、ミリタリオタ垂涎ものの自衛隊と米軍の最新兵器のオンパレード、それでもゴジラには通用しないという絶望感。様々な知恵でゴジラに立ち向かっていく若い政治家たち、ラストの高揚感は本当に最高です。

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