さとみちゃん主演の水10ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子 第一話」を見ました。
主人公の河野悦子(石原さとみ)の次々変わる華やかなファッションの数々と歯切れのよい毒舌の痛快さ、展開が早くて飽きさせないストーリーなどとても面白いドラマだなと感じました。
それでは地味にネタバレの感想を書きます。
面接は目で訴えるべし!
冒頭の面接を受ける悦子は恰好よかったですね。就活生としてパーフェクトでした。自己アピールも完璧で志望動機もしっかりしている、また相手が面接官と言えども主張すべきことは主張する、模範解答的なやりとりが見ていて気持ちよかったです。石原さとみのルックスということは置いておいても私が人事担当者だったら即採用しちゃうと思います。
悦子は7回も採用試験を受けているそうですが、やはりその度ごとに「あそこはああ言えば良かったな」とか反省したと思うんですよ、だから受けるたびに修正していって、3回目ぐらいには面接官も「すごい、まるで進化だって」って驚いたんじゃないでしょうか。それが7回ですよ、7回。ゴジラだったら宇宙空間を亜光速で飛んでるんじゃないかってくらい進化していると思うんです。それくらいのオーラがこの悦子にはありました。
でも景凡社はファッション誌の編集者は中途採用は募集すらしていないっていうんです……ダメじゃん。でも悦子はそこでめげません、それは間違いですとちゃんと説得力のある理由も付けて逆に景凡社の面接担当を責めるんです。どんだけ強いメンタルしてるんだと発行部数の話は面接官も耳が痛かったんじゃないでしょうか。
この「編集者は募集していません」を聞いたとき、悦子の表情が一瞬にして戦闘モードに入るんですが、その眼光の鋭いこと、すでに3人ぐらい殺めているといっても驚きません。
まあ結局その眼光も面接担当には通じませんでしたが、校閲部長の茸原(岸谷五郎)の目には何か感じるものがあったみたいです。
面接で茸原部長が、なぜ悦子を校閲部にふさわしいと思ったのかそこが物語の肝かと思ったので注目していたのですが、ドラマでは茸原のタイピンに疑問を持ち、その疑問をとことん追求する姿勢が校閲者として必要な資質であると思ったからといった説明がなされていました。でも、それ以外に茸原には別の意図があったんじゃないかと思うんです。
茸原校閲部長は飄々としていて昼行燈な人物かと思いきや悦子の才能を見抜き校閲部に配属させるなど曲者的な人物だなと思います。
ファッション誌への異動をエサに未来への扉をちらつかせて、なんとか悦子を校閲部に引き留めようとするところは策士ぶりも感じます。やはり前職がパン職人だから(違う)人もこねるのうまいですね。
そんな茸原が、いきなり大御所作家の校閲を悦子に任せると言い出したり、校閲のルールは必ずしも守らなくて良いと言ったりこれは何かあるんじゃないかなと思いますよね。もしかすると現在の校閲部のあり方に疑問を持っていて改革をしたいと思っているんじゃないかなと思いました。
その理由は社内で校閲部が軽視されていて、それを感じている校閲部員たちがやる気を失っている現状にありそうです。第一話でも校閲部員の米岡(和田正人)が文芸編集部の貝塚(青木崇高)に委縮して、押し切られている場面がありました。
校閲部員にもっと自信をもって校閲してもらいたい、主張すべきことは主張して自分なりの校閲をしてほしい、そのための突破口に悦子が必要だったんじゃないかなと思いました。
悦子は女松岡修造だ!
森尾登代子(本田翼)との再会シーンですが、ちょっと意外だったのが登代子と悦子の関係性。もっとフレンドリーな感じかと思っていたら、悦子はともかく登代子の方は明らかにかかわりたくない的な態度が見て取れました。
そして、二人が水泳部だったということ。その部活にまざりたい……じゃなくて、悦子が運動系の部活をしていたということが驚きでした。
てっきり高校時代からファッション一筋で、ファッション部とか自分で作っちゃったり文化系の部活か帰宅部コースだと思っていたので。
でも考えてみれば確かに悦子の言動には松岡修造さん的な体育会系の情熱を感じます。あのバイタリティと行動力は水泳部時代に培ったものなのかも元からそうだったのか気になるところです。
しかし、登代子の立場に立って見ると女版松岡修造が先輩というのは確かに、うんざりすることもあったのかなと思いました。(^_^;あ、私は松岡修造さん好きですよ(フォローになっていない)
ヒットするドラマにはキャッチフレーズが必要だ!
「地味にすごい!校閲ガール 河野悦子」の初回視聴率は12.9%だったそうです。結構よい方みたいです。でももっともっといろんな人にこのドラマを見てもらいたい。
やはりドラマにはわかりやすいキャッチフレーズがあるとよいなと思うんです。ヒットしたドラマには「倍返しだ」、「私、失敗しないんで」など何度も繰り返されるわかりやすいキャッチフレーズがあるじゃないですか。ああいうのが校閲ガールにもあるといいなと。
今のところ繰り返し出てくる言葉として「このタコ」、「地味にスゴイ」ぐらいですよね。「このタコ」はあまり字面のいい言葉ではないので「地味にすごい」が候補だと思うんですけどやっぱり地味ですよね。なのでもっといいフレーズないかなと考えてみました。
「倍校閲だ!」言いにくそう
「私、校閲しないんで」ダメじゃん
「通常の3倍の校閲です」真っ赤になりそう
「月に代わって校閲よ!」もはや意味不明
そろそろ怒られそうだからもうちょっと真面目に考えてみます。
たとえば、「あなたの間違い校閲します」といってビシッと指さすポーズをとり相手の誤りを指摘するなど視聴者がスカッとする演出があるといいなと思んです。
スカッとなんとかって某テレビ番組が受けているように視聴者は理不尽なものに対してやり返してスカッとしたいと思っているのではないでしょうか。いわゆる巨悪は登場しないけれど日常にあふれている小さな理不尽とは闘う、悦子にはそんなヒロインになってほしいと思います。
あ、「地味にスゴイ」を流行らせるならツイッターなどで「#地味にスゴイ」のタグで、身の回りにある地味にスゴイ出来事をツイートしてもらうキャンペーンを行うのもいいかもしれませんね。
悦子の可愛さとファッション
大御所作家の本郷大作(鹿賀丈史)の「こりゃ可愛いお嬢さんだ」に「あら、先生ったら正直者」って返す悪ぶれなさと、ちゃっかりシャンパンとお肉をごちそうしてもらっちゃうしたたかさは、悦子の世渡り上手さを感じました。貝塚ですら「見た目に騙されちゃいけません」って言ってましたから、その可愛さは認めてるわけです。
毒舌を吐くときの男前なところと普段の可愛らしいところのギャップが今回の悦子というキャラクターの魅力の一つですよね。
また、場面転換の度に入る衣装チェンジのアイキャッチ画像の演出もよかったです。メイキングでさとみちゃんがグリーンバックを背にグラビア撮影しているような風景がありましたがこのためだったんですね。ちゃんと視聴者が後で調べやすいように全身コーデを映してくれていてスタッフさんもさとみちゃんがドラマで来た衣装の影響の大きさをわかっているなと思いました。
場面が変わると同時に悦子のファッションが変わるのも新鮮でした。たった1話の中でこんなに様々な衣装が登場するドラマもあまりないんじゃないでしょうか。まさにファッション誌の表紙掲載率ナンバーワンのさとみちゃんのためのドラマだと思いました。
今回の悦子のファッションでは、頭にバンダナを巻いたブルーのホールメッシュニットと黒のチェスティワンピースの組み合わせの衣装、黒のニット帽に白いフリンジショートガウンと黒いフラワーコードレスタイトスカートの組み合わせの衣装が特に可愛いなと感じました。(服の名称はこちらで調べました。コレカウhttp://www.korecow.jp/)
家で登代子とセシルに愚痴るところの変形お団子ヘア?の悦子も可愛かったです。