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フジテレビ月9ドラマ「失恋ショコラティエ」第6話 感想

すみません、またまた、感想を書くのが遅くなってしまいました。まあ、仕事が忙しかったとかいろいろと言い訳はありますが、その実、単に私が遅筆なだけですね。

影響されるかも知れないので、自分が書き終わるまでは見ないようにしているのですが、凄く早く感想を書かれている方もいて、しかも面白くて尊敬します。

「失恋ショコラティエ」第6話は、紗絵子(石原さとみ)の出番が殆ど無く、オリヴィエ(溝端淳平)、まつり(有村架純)、薫子(水川あさみ)、えれな(水原希子)のターンという感じでしたね。

それにしても、みんな急にまともになってどうしちゃったの?、もしかして、不倫やセフレは倫理上良くないとか、過激な描写が教育上良くないとか、BPO(放送倫理・番組向上機構)に視聴者からクレームが!?某ドラマの二の舞か?なんて、冗談です。

さて、ドラマの冒頭、えれなからの思い詰めたような内容の留守電を聞き、爽太(松本潤)は、妙な胸騒ぎがしてえれなのアパートに急ぎます。1秒でも早くたどり着こうと、えれなの元に懸命に走って...と思ったらいつの間にかタクシーに乗っていてズッコケたのは私だけでは無いでしょう、「最初からそうしろよ!」って、日本中で突っ込む声が聞こえました。(ー▽ー )

飛び込んだえれなのアパートには、お風呂場で手首を切って事切れているえれなの姿があり、気が動転した爽太は、思わず傍らに落ちているナイフを手にして呆然と佇みますが、そこになぜか警官が駆けつけてきて、爽太にいきなり拳銃を突きつけ「動くな」と言うと、「俺は殺してない」とじたばたする爽太を引きずって警察署に連行していきます。

もちろん全部爽太の妄想で、実際には、えれなはクローゼットに閉じこもって泣いていただけなのですが、原作知らない視聴者は、湯船に浮かぶえれなの血まみれの姿にかなりショックを受けたのではないでしょうか?。こういうときの爽太の妄想がネガティブになりすぎて軽く引くレベルなのが困りものです。

ただ、えれなもあんな留守電を残したり、家の鍵を開けっ放しにしておいたりして、爽太が心配して来てくれることを期待していたのでしょうから、お騒がせ娘だなと思いました。

「ちゃんと告白したよ、ふられた」と泣きながら話すえれなの肩を優しく抱く爽太。妻子がいるからと断る倉科さんは、このドラマでは珍しく常識的な人でした。(^_^;登場人物の中で唯一普通の常識人な倉科さんの登場で、ちょっとホッとするというのも、どういうドラマなんだと思いますが。

倉科のえれなのフリ方も、「こんな綺麗な子から」とか「自分にはもったいない」とか、相手ができるだけ傷つかないように、さりげなく気遣いしながら断る辺り大人だなと思いました。もっとも、これまでもファンに告白されたことがあり、冷たい態度を取って逆恨みされたことがあったからという、うがった見方もできますが...モテルオトコハハタイヘンダ。

爽太はえれなに、「本当にこれで終わり?」と聞きますが、えれなはきょとんとした表情で、「だって家庭のある人だよ」と、常識じゃんというテンションで答えます。その言葉を聞いた爽太は、頭を鈍器で殴られたような表情でえれなを見つめます。

爽太の表情に気付いたえれなは「紗絵子さんは、まだ子供がいるわけじゃないし」と、慌てて爽太を批難しているわけでは無いことを伝えますが、爽太は、自分はなぜ紗絵子を諦めていないんだろうと、あらためて自分の行動を冷静に考えることで、自分にとって紗絵子がずっと”妖精さん”つまり「ファンタジー」であることに気付きます。

そして、現実である、そばで寝ているえれなの顔を見ているとき、薫子の「爽太くんの好きになる女の子って、尻軽の雌犬ばかりだよね」という言葉が頭に浮かび、「ミシ!っと揺れた気がした」爽太は、愛おしそうに、えれなの額に優しくキスをします。

この時の爽太の心情は、自分のせいでえれながそういう風に言われたんだ、自分のせいで薫子さんも嫌なことを言わなければいけなかったんだと後悔し、えれなに謝罪する気持ちだったのかなと思いました。

その頃、紗絵子は顔に包帯と絆創膏をした痛々しい姿で、爽太の作ってくれたバースデーケーキを前に、スマホでメールを問い合わせては、ため息をついていました。紗絵子が爽太からの返事を心待ちにしている様子は、切なくて胸が締め付けられる思いがしました。

翌朝、爽太の朝食を作る音で目が覚めたえれなは、「案外泣かなかったな」と恋の終わりを振り返り、「爽太くんがいてくれたから」と呟きます。

そんな、えれなの寂しそうな後ろ姿を見た爽太の脳裏に、6年前、紗絵子に失恋したバレンタインイブの雪の場面がフラッシュバックして、その目から涙があふれ出します。

どうしたのと心配するえれなに、「えれなが失恋したから」という爽太。爽太はえれなの失恋に自分の失恋を重ねて、自分がなぜ紗絵子を想うのをやめなかったかに気付いたのでした。

それは、紗絵子を想っていた自分とさよならするのが怖かったから。「頭の中を一杯に満たしていたものを手放して、空っぽになるのが怖かったんだ」という言葉が胸に突き刺さりました。

片思いしているときは、そばにいて他愛もないおしゃべりをしていられるだけで結構楽しいんですよね、自分は爽太と違って行動できない臆病者でしたが、だからこそ、失う怖さというのは凄く分かります。今は時間も距離も遠く離れてその想いも心の片隅に小さく残るのみですが。

さて、爽太は薫子に昨日のこと(飲み会キャンセル)を悪かったと謝罪して仲直り、薫子も爽太の「俺、薫子さんのこと好きだから」という言葉に、ドキッとして、「私も、爽太くん好きだから」とさりげなく告ってみたものの、鈍感な爽太は「好き」の意味に気付かず、六道(佐藤隆太)からの関谷(加藤シゲアキ)に関するメールを薫子に見せて、メールするように勧めたりして薫子がっかりな展開でした。

爽太の心境の変化に気付いた薫子でしたが、そんな、薫子やオリヴィエ、まつりに対し、「俺、失恋することにした」とのたまう爽太、一同、(゚Д゚)ハァ? という表情で、爽太を見つめます。

バレンタインデーに紗絵子に告白し、ちゃんとふられて終わりにする、自分の片思いを完成させると言う爽太ですが、考えてみると経営者の恋愛事情を、職場で聞かされる従業員という構図は、結構シュールでした。

この後の場面で、爽太不在の「ショコラ・ヴィ」の祝賀会での薫子の、ピー音入りまくりの暴れっぷりが可笑しかったです。なんとなく聞こえた、「・・・擦り切れちゃえ!」がツボでした。まつりも、兄のそんな話を聞かされて、爽太にどん引きするどころか普通に接している所が、この兄妹の不思議な所です。

えれなとの関係を「ちゃんとする」と話す爽太に、本当の失恋を感じて肩を落とす薫子。そんな薫子に、「どんなに好きな人がいても、流れは変えられるってことだね」と話すオリヴィエですが、薫子は、「時間を戻してやり直せたとしても、私は絶対になにもしない」と意地を張り続けます。

一方、まだ包帯のとれないまま、家事に勤しむ紗絵子の元に爽太からのメールが届き、嬉しそうに内容を確認する紗絵子ですが、社交辞令の様な素っ気ない文面に表情が曇ります。

もはや、紗絵子に取って爽太は、ただの後輩でも行きつけの店のオーナーでもなく、心の支えであり、一番そばにいて欲しい相手になっているのに、皮肉なことに爽太の方が諦めてしまうというのは、なんとももどかしい思いがしますね。

それにしても、まつりの兄を心配する言葉が、「(片思いやめたら)うちのお店大丈夫かな」だったのには、うーむと、うなるほか無かったです。お兄ちゃんの存在意義って何って悲しくなりました。まあ、収入源がショコラ・ヴィしかないと思われる小動家では死活問題なのは分かりますが。

さて、そんなまつりにも動きが、自分の友達と自分に二股を懸けている彼氏と別れたというまつりに、オリヴィエはあらためて、付き合おうと迫ります。そんなこといけないと躊躇しているまつりでしたが、オリヴィエはあきらめずにアプローチし続けます。

フランス人とのハーフと言う設定が忘れ去られようとしているオリヴィエですが、こういう積極的で強引なところは、フランス人っぽい(というか日本人っぽくない)なと思いました。結局、まつりは元彼を吹っ切るため、オリヴィエに付き合うことを決意します。

その頃、紗絵子は、目の腫れが引き、額の傷もだいぶ治りかけて絆創膏だけになって、うきうきと、ひさびさに出かける準備をしていました。紗絵子の付けていた口紅は、さとみちゃんのCMしている花王のソフィーナ オーブクチュールかなと思いましたが、一瞬でよく確認できませんでした。スポンサーに別の化粧品メーカーがいるので違うかもしれません。

それにしても、ニーハイにミニスカの”絶対領域”見せは、紗絵子スタイルのデフォルトのようですね。

一方、紗絵子への最後の告白のためチョコレート作りに励む爽太は、薫子たちにチョコレートを入れる箱に掛けるリボンの色を相談します。もっとアピールしてよと爽太に言われ、「赤」と答える薫子、その理由が、まんま薫子さんの心情を述べているかのようで、切ない思いがしました。

そこに、帽子で絆創膏を隠した紗絵子がやってきて、爽太は、「帽子似合ってる、可愛い」、「久しぶりに紗絵子さんの顔見られて嬉しかったよ」と素直な想いを口にし、そんな爽太に紗絵子はちょっと驚き、ハニカミながら「ありがとう」、「私も」と答えます。爽太の言葉は、甘いチョコレートの様に心に流れ込み一杯にして、紗絵子は幸せな気持ちで店を後にするのでした。

紗絵子は、爽太に自分がケガをしていること(させられたこと)を、まったく悟らせないようにしているのは何故でしょうか?

バースデーケーキのお礼のメールでも、包帯を巻いている方の顔が映らないように写真を撮ったり、ケガが治りかけて包帯が取れたときは、絆創膏の隠れる帽子をかぶっってショコラ・ヴィに来たり。

旦那に不満で、離婚したい、爽太に救い出して欲しいと願っていたとしたら、これまでの紗絵子なら、わざとその姿をさらして、心配する爽太に旦那の仕業だと訴えて同情を引くような行動をしてもよさげなんですが、そんな事はせず、むしろ爽太に知られることを恐れているような気がします。

この時点で紗絵子は、爽太がまだ自分を好きでいることを知らないわけで、爽太が激昂して旦那とケンカするのを恐れているということは無いと思います。

それよりもきっと紗絵子は、爽太の前では可愛い自分でいたい、落ち込んでいる自分を見せたくないのだと思いました。

さて、久しぶりに紗絵子の姿を見て、また新しいチョコレートのアイデアを思いついた爽太でしたが、これまでと違って、もう紗絵子さんがいなくても大丈夫、何かを生み出せる力が沸くことが嬉しい、俺はショコラティエなんだと考えます。

えれなとの関わりや薫子の言葉に、自分を見つめ直し精神的に一歩成長した爽太が、ショコラティエとしての仕事に喜びを感じ、新たなチョコレートの創造に没頭する姿は、久しぶりに格好良く、また、たのもしく見えました。

薫子も関谷に対して一歩踏み出そうとしていました。関谷にメールするのですが、その内容が、「爽太に告白して何もリアクションがなかった」こと、「爽太が紗絵子を諦め、えれなと向き合うことにしたこと」という、関谷がかなりのゴシップ好きで無い限り送られても返事に困る内容で、相変わらず不器用だなと思いました。案の定、関谷もどうしたものかと思案する顔でしたね。

爽太と関谷の気持ちを勘違いしている六道と関谷の、相変わらずのちぐはぐなやり取りは面白かったです。勘違いからとは言え、関谷に言った、「憧れの人は、憧れのままじゃ出会ってないのと同じよ、本当にその人のことが好きなら、その人の内面に踏み込むぐらいの深い付き合いをしなさい」は、何気に名言だなと思いました。

一方、爽太は、失恋の傷が癒やされないまま自虐スパイラルに陥っているえれなに、「何かで上を目指している人はみんなそうだ」と励まします。「ステップアップすればするほど、スゲー人が一杯見えるし、自分が何だか小さく思えてくる、それだけえれなが頑張って高い場所まで来たって事だよ」という言葉に、自分はそう思えるだけの努力をしていないなと思い、「最低な男」と散々書いている爽太に教えられた思いがしました。

「セフレって良いもんだね」と嬉しそうに話すえれなに向かって「そういうのはもう終わりにしよう」という爽太、バレンタインデーに紗絵子に告白し、「ちゃんと振られて終わりにしようって決めたんだ」と伝え、そしたら「俺とのこと考えて欲しい」と言う爽太に、「どうしよう、今すぐ抱きついちゃいたいよ、でも、今はダメだね、うまくいくと良いねっていわなきゃ」と泣きそうな顔で話すえれながいじらしかったですね。

実は、第4話まで、紗絵子とのシーンで流れていた主題歌が、第5話からえれなとのシーンで流れるようになっていて、えれなエンドをにおわせる、にくい演出だなと思いました。

ラスト、額の絆創膏をはがす紗絵子が映っていましたが、傷がスッカリ消えており、ビックリでした。本編では流れませんでしたが、予告であれだけ流血していたのに一体どんな画期的な治療法を?まあ、こういうところに真剣に突っ込むのも、ドラマの内容に対して、BPOに抗議してしまうのと同じくらい痛いと思うので、このくらいにします。(^_^;

ドアからこちらに向かって歩く紗絵子が、目線を斜め下に向けていた視線をこちらに向ける場面で、悪戯っぽくにっこり笑うシーンは、なんか、これからもグイグイいくわよという雰囲気が感じられて小悪魔な紗絵子復活を強く印象づけるものでした。

フジテレビ月9ドラマ「失恋ショコラティエ」第7話 感想

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