NTT docomoの定額動画配信サービスdTVで配信されている実写映画「進撃の巨人」のオリジナルドラマ「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 反撃の狼煙」全3話を視聴しましたので感想を書きたいと思います。若干のネタバレがありますのでご注意ください。また、ドラマの中で映画「進撃の巨人」の前編のネタバレが凄いので、まだ前編を見ていない方は見てからドラマを視聴した方がよいと思います。
全体を通しての感想は、意外と本気なドラマだなというものです。セットなどは映画「進撃の巨人」のものを流用したそうなので結構しっかりしていて、巨人や立体機動についてもやっつけでは無く本格的なCG処理がされていて映画同様の臨場感を感じさせてくれますし、コミカルなシーンの連続で笑えるし、格好いいシーンはあるしですごいエンターティメント作品だと思いました。
第1話 反撃の幕開け
第一話は、さとみちゃん演じるハンジが主人公で映画の1年ほど前が舞台となっており立体機動装置の開発秘話が描かれています。
物語は治安統制局の予算管理官イズル(平岡祐太)が外壁を修復する部隊の訓練と巨人討伐研究のために建設された施設を訪れる所から始まります。
巨人討伐に関する予算会議で参謀らしき人たちがイズルに巨大な大砲、大きな落とし穴、亀甲縛り(笑)など様々な巨人討伐の方法をプレゼンするのですが、全てハンジに却下されてしまい、その様子を見ていたイズルがうっかりハンジに話を振ってしまったのが運の尽き。祖父母の出会いから始まる、ハンジが巨人に興味を持った切っ掛けの長い話を聞かされることになります。(^_^;
このハンジがイズルに巨人との因縁について延々と話すシーンは、さとみちゃんが舞台挨拶で言っていたとおり殆ど早送りで聞き取れませんでしたが、最初と最後の聞き取れた部分から推測すると実写版のハンジについての結構重要な情報を言っているように思いました。
ハンジの祖父母は巨人伝説に引かれるように出会い結婚したと話しており、祖父母もハンジに負けず劣らず変わり者だったようです。その祖父母が「巨人は夜になると活動しなくなる」と言っていたとハンジが言っていましたが、ハンジの祖父母はそのことをどうやって知ったのでしょうか?伝説の中でそのことが語られていたのであれば他の人も当然知っていたと思うので、恐らくクバル(國村隼)のいう「特定知識」に該当するような話なのではないか、そのことを知っているハンジの祖父母は中央政府でもかなり高い地位に居たと推測されます。でなければ投獄されていたでしょうから。
さとみちゃんの演じるハンジですが、巨人の事になると見境無くなる感じは原作のハンジそのものですね。ただ、原作では巨人について冷静沈着に分析する部分も併せ持っているのに対し、ドラマでは巨人研究への変態的な固執ぶりとハチャメチャぶりがさらにパワーアップしてコメディタッチに描かれていて巨人について冷静に分析するシーンが少ないので、ハンジがただのテンション高い研究オタクに見えてそこは少し残念な所でした。
しかし、ハンジが巨人を見るときの恍惚とした表情、巨人の生態に触れることができる喜びに満ちあふれた表情は秀逸でした。特に巨人の実験について興奮して鼻の穴をヒクヒクさせながら語り出す時のサディスティックな表情が最高です。
さとみちゃんがとにかく原作と同じにしたかったと言っていた捕獲した巨人ビーンの実験シーンは、さとみちゃんがこだわっただけあって、泣き叫びながらヤリを突き刺すところとかホントに漫画のままのシーンでした。
ラストでハンジが自分の開発したプロトタイプの立体機動装置で飛ぶところは爆笑でした。壁にめり込んで割れメガネに鼻血ってギャグ漫画の演出をさとみちゃんで見られるとは思っていませんでした。
第1話は実写版「進撃の巨人」の世界で、映画では語られない空白の2年を埋める重要なエピソードとなっていると思います。
第2話 希望の弓矢
第2話では櫻庭ななみさん演じるサシャの生い立ちと外壁再建団に参加する切っ掛けが描かれています。さとみちゃんも外壁修復要員として巨人から逃げるシーンなどちょっとだけ出演しています。
サシャは弓の名手として描かれていて、弓についている羽根を噛みちぎって弓の軌道を曲げるんですが、ほぼ90度曲がっていて物陰に隠れている獲物や敵も射貫くことができるという凄腕です。
舞台挨拶で櫻庭さんが弓矢の羽根を噛みちぎると言っていたのはこのことかと思いました。この羽根について櫻庭さんはチョコレート味だったと言っていました。
この第2話についてはとにかくサシャを格好よく描くのが目的と感じましたね。
第3話 自由への旅立ち
第3話は完全に楽しんで作ってるなという感じがしました。「進撃の巨人」という壁を取り払って立体機動で遊んでみましたという雰囲気が伝わってきました。フクシとリルの格闘シーンは迫力もあり、武田梨奈さんの身体能力の高さはさすがだなと思いました。ハンジも上官としてちょっとだけ出演しています。
劇中でまさかのアニメ版「進撃の巨人」のオープニングにあった、街中で調査兵団の団員たちが次々と立体機動で飛び上がるシーンが再現されています。シチュエーションはギャグですが。(^_^;
そして、人対人ではありますが立体機動による集団戦闘があり、これが思いのほか格好良くて、なぜ映画でこれをやらなかったんだと思いました。
まとめ
ドラマ版「進撃の巨人」は第一話以外、映画のストーリーとは直接関係ないエピソードと感じましたが、一つ一つのストーリーが面白く映画では描かれていない登場人物達のバックグラウンドが分かってよかったです。第2話と第3話は同じころに同時進行していたらしく片方のドラマでもう片方のドラマの同じシーンが出てくるなどの演出も有り、全てのドラマをみると面白さが倍増するなと思いました。
dTVは1ヶ月間は無料で視聴できますので、まだ見ていない方はとにかくさとみちゃんが愛し全力で演じたハンジを見て欲しいなと思いました。